象牙の塔の内側
たまたま読んだForeign Policyの記事がおもしろかった。
"Inside the Ivory Tower," Foreign Policy, November/December 2005.
アメリカの大学で国際関係論を教える教員1084人にアンケートをとったそうだ。その結果、若い教員ほど理論や学術的論争について教えているのに対し、キャリアが進むにつれて現実世界の問題を論じるようになる。したがって、象牙の塔にこもって十年一日のごとく、古いノートにしがみついた授業をやっているわけではないという。
まあ、それは当然だろう。堅実に業績を出しつつけていれば、そのうち政府の委員会などに呼ばれる機会が増えるはずだ。そうするとだんだん現実世界の仕組みがはっきり見えてくる。反面、学会誌の論文を読んでいる時間はなくなる。
教員の博士の学位の25%は、コロンビア、ハーバード、UCバークレー、MIT、ミシガン、スタンフォードのいずれかだそうだ。もっと独占率は高そうな気もするが、そんなものか。
アメリカの学者は安全保障、政治経済、米国の外交政策が得意だが、地域研究の経験が足りないという。それは強く感じるなあ。もっと在外研究やればいいのに。