ついに決着
今日、東京からアメリカ人の友人がやってきた。たった1時間お茶を飲みながら話しただけなのに元気が出た。友人というのは良いものだ。その彼がMITで研究している彼の友人を紹介してくれた。この彼がまたおもしろい。rocket scientistだとは聞いていた。rocket scientistは文字通りロケットを研究している人という意味もあるが、頭の切れる人という意味もある。彼は両方なのだ。それも宇宙工学と医学を組み合わせていて、宇宙服をデザインするために人の細胞がどう機能するか研究しているらしい。MITらしいなあ。
夜、ついに民主党の予備選が決着した。10時前にヒラリー・クリントンが演説した。彼女は今晩は何も決めないと言ったが、残される道はミシガンの代議員の扱い見直しを党大会に訴えるぐらいしかない。でも彼女の演説は良かった。われわれ日本人はそのありがたさにあまり気づかないけれども、国民全員が健康保険を持っているのは実にありがたいことだ。アメリカには健康保険に入っていないために満足な医療が受けられない人たちがたくさんいる。健康保険をみんなに提供したいという彼女の政策は十分に訴えるものがある。
ヒラリーの演説が終わった後、オバマの演説が始まった。いつもの彼らしい演説で、ドリーム、フューチャー、チェンジをキーワードにだんだん盛り上げていく。しかし、ヒラリーへの攻撃はない。むしろ、彼女と競ったために自分は良い候補になれた、政策を競い合えたと評価している。今後の党の団結を見越した配慮なのだろうし、実際、全ての州で予備選が重要な意味を持ったことは歴史的な出来事だ。この二人の接戦はこれからもずっと研究対象となるのではないだろうか(まだはっきりしないけど、得票で上回る見込みのクリントンが選出されなかったことは、予備選という不可思議なシステムの問題点を再び明らかにするのではないだろうか。さらにオバマが本選で苦戦することになればこのことは何度も蒸し返されるだろう。ヒラリーがここまでキャンペーンを続けたのは、オバマよりもマッケインに勝てる見込みがあるということだった)。
オバマの演説が終わった後、CNNのアナウンサーと解説者たちは、レーガン大統領、キング牧師、リンカーン大統領に匹敵する演説のうまさだと誉めていた。オバマはますます強くなるのだろうか。彼に軍歴がないのがなんとも残念だ。マッケインとはこの点が違う。マッケインはここを突いてくるだろう。イラク戦争は避けられない争点だ。保守的な軍人がオバマを支持できるかどうかが一つの見所だ。
演説が終わった後の音楽が、ヒラリーはティナ・ターナー、オバマはブルース・スプリングスティーンだったことも何となく対照的だった。
【追記】
CNNはヒラリーを副大統領候補にすればオバマは本選で勝てるという見通しを出した。ありえるかなあ?
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