終章

 『競技かるた暗中模索』

本稿も最後の章になった。いろいろな観点から述べてきたが、これで充分に語り尽くせ たとは思っていない。「かるた」も自己表現の一つのなのである。百人の人間がいたら 百の「かるた」が存在する。また、「かるた」や「かるた会」、「かるたの競技者」等々 いわゆる「かるた界」への関わり方も百人百様であり、これもまた、自己表現方法の一 つである。「競技かるた」の世界は、相当に奥が深そうである。本稿は、一つの問題提 起にすぎない。本稿が「競技かるた」について考える一つのきっかけになれば幸いであ る。

「かるたに王道なし。」練習と試合の積み重ねの中から、自分にもっとも適した「かる た」のスタイルを見つけだしていただきたいと思う。しかし、自分にあったスタイルが できたと思えても、それもまた仮の姿である。その人の人生の歩みとともに「かるた」 という自己表現手段もまた変化していくのである。「競技かるた暗中模索」に終わりは ない。


_完_


Copy Right:Hitoshi Takano
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