ご存知の通り、6月にタイ経済が崩壊し、タイ社会は相当困難な状況に陥って います。そもそも、農村地域ではかつて自給用に作物を育てていましたが、 資本主義の進出により商品作物に代えざるを得なかったという現状がありま した。同様に資本主義経済によってバンコクなどの都市に出稼ぎに出ていた 労働者が、バンコクでの生活費を支払えない、もしくは職をなくすといった現 象に伴い、多くの人が故郷へと戻っています。今後さらに増えるであろうこ の出戻り労働者には、田舎町において職\\や食べ物が提供される訳はなく、現 在タイが抱えている様々な問題は一層深刻化するかと思われます。こ\\うした 問題の打撃を受けるのは、寄付金で運営が成り立っているNGOです。

このような状況であるがゆえに、多くの出戻り労働者の故郷である山岳民族の 生活向上プロジェクトを実行しているバーン・ルアム・ジャイの存在は、今 後非常に大切になってくると見受けられます。その理由として経済が破綻し、 その建て直しに必要なものは何かという問いに、農業技術を今一度見\\直すと いう意見が多くあったということがあります。バーン・ルアム・ジャイでは、 山岳民族の子供たちに通学の機会を与える、山岳民族への出張医療提供など の他にこのような農業技術の訓練も行っています。この技術の伝達ことが現 在の子供たちが成人した時に活用できる知識、そしてそれが国全体の経済復活 にもつながっていくのではないでしょうか。現在、バーン・ルアム・ジャイ では子供たちは蛋白質をまったく摂取できない状態でいます。また、今後でき るだけ多くの子供たちが教育を受けられるようにと建築中の建物も完成のめ どが立たないという現状です。

Last updated: 6 January 1999