著者:吉岡志郎
発行年月日:1996年10月20日 第1版
編者:アジアの児童買春阻止を訴える会
発行者:石井昭男
発行所:株式会社明石書店
定価:1854円(税込み)
第1章で、総論的な内容を、第2章で、フィリピン、タイ、そして日本の現状、 そして第3章で、各国の法改正、そしてわが国日本の法改正へ向けて、その内 容について紹介しています。
大がかりな買春ツアーが日本人男性によって10年前より、堂々と当然のごと く行われている現実があります。日本人男性は、金の力によって「何人処女を 買ったか」を自慢しあい、ブローカーは、多額の金を支払う日本人のために、 子どもを買いあさっています。買う人がいるから商売が成り立ち、ブローカー は大儲けをしているのです。買う人がいなければ商売は成立しません。子ども 買売春を成り立たせているのは(子どもたちの被害を作り出している多くの部 分は)日本人なのです。
1990年にタイのチェンマイで、キリスト教会関係者を中心とする第3世界 の観光問題に関するエキュメニカル連合 (ECTWT)が子ども買春の国際会 議を開いた際、そこで報告された実態に参加者が一様に衝撃を受け、それをきっ かけに、エクパット (End Child Prostitution in Asian Tourism = アジア 観光における子ども買春根絶) 国際キャンペーンが91年から始まりました。 エクパットは子どもの買春だけでなく、児童虐待などの問題にも取り組んでい ます。カスパルとしても、子ども買春を中心に児童虐待や、売買春の問題にも 取り組んでいます。
日本はアジアの子ども買春に深く関わっています。そしてまた、日本国内でも、 子どものポルノグラフィー、ブルセラそして、ジャパゆきさんや、下館事件に 象徴されるように、アジアの女性がだまされて買春を強要されるケースが後を たちません。日本は子どもの権利条約が1994年3月に批准され、5月発行 になりましたが、まだ内容が伴っていません。国内外の子ども買春および子ど もポルノ禁止のための児童福祉法改正へ向けて、多くの皆さんと力を合わせ、 がんばらなければならないし、子ども買春を一日も早く終わらせなければなり ません。