私がこの数年調査をしているブリンビン村は、バリ島の中央部に位置しています。ブリンビンとは、インドネシア語でスターフルーツのことだそうですが、村の形が実に似ているからだそうです。(あまりそうは思わないのですが。)ブリンビン村は、バリ島の中の普通の農村地域です。片斜面の上で水田を中心とした耕作が行われており、バリに限らずインドネシア西部の多くの地域で見られるような農村景観です。実は、村の中にヨーロッパ資本の高級ホテルがあるのですが、集落の家並みと違和感がないようなロッジなので、言われないとそこにそんなホテルがあることはわかりません。一泊100ドル以上するとの話で中に入ったことはありません。このホテルに訪れるヨーロッパの観光客と村を南北に走る幹線道路を通過するツーリストバスが棚田の風景を写真に撮るために立ち止まるぐらいで、観光客にあふれかえる島南部とは対照的です。
ここで紹介した写真の多くは、2003年の調査のものです。松村氏、横川氏、山崎氏が撮影したものも含まれています。