酒類の自動販売機が酒屋さんの店先にある国は日本だけである。自動販売機が最初に 普及したアメリカにもアルコール飲料の自動販売機は存在しない。アメリカの酒類の 販売は原則的には「手渡し」に限られていて、21歳未満には売ってはいけない、 という法律が存在し、店によっては「身分証明書」の提示を求められることもある。
1991年に、アルコール問題についてのWHO(世界保健機関)の国際会議が 日本で開かれたが、その時、世界中の専門家は日本に「機械による無人販売機」、 つまり自動販売機が存在することに驚いた。そして、会議の最終日のまとめられた 「勧告」にはWHO加盟国が禁止を検討すべき販売方法のひとつとして、 「自動販売機」があがっていた。
酒類の自動販売機が設置されたのは、1965年以降であるが、またたく間にその
数は20万台以上に膨れ上がっていった。自動販売機の最大の欠点は朝から晩まで
誰でもアルコール飲料を買えることであるが、他にも問題は沢山ある。電力の無駄
使い、空き缶公害、「道路交通法」に違反する、道路にはみ出た販売機など
である。少数派だが、自動販売機を置くべきではないと考える酒屋がいることも
忘れてはならない。