現状の給油所においてすでに設備投資過大(資本集約販売業)であり、かつセ ルフ化による追加投資が必要となれば減価償却費を含むコストアップは確実と なり価格をさげる要素とはなりえない。加えてガソリンの場合は危険物の取り 扱い資格者を2人以上常置しなくてはならないから無人化はできないうえ、有 資格者は賃金ベースも高いのでセルフ化による人件費のダウンには限界がみえ る。効率のあがらないセルフ化よりも、親しみのあるサービスこそ日本的なサー ビスの原点であり、無人化によるデメリットのほうがむしろ大きいのがわが国 もガソリンスタンドの特徴だろう。セルフ化によるローコストオペレーション よりも、販売の流通のプロセスでのトータルコスト削減こそが流通効率化にとっ て最も迅速な解決法であろう。
「セルフサービス方式の給油取扱所については、平成7年度に調査検討委員会 を設置し、安全性の問題について平成9年度をメドに結論を得べく検討を進め る。」と政府は規制緩和推進計画の石油販売業関連部分で述べている。なんだ かんだ言っても試算によれば、欧州並にセルフサービス化を導入すると1リッ トルあたり20円近くガソリンは値下がりすると言われているが、実際ガソリ ンスタンドのセルフサービス化が日常的になるのは一体いつになるのだろうか。 早期実現を期待したい。