元売り会社は石油の第一供給者であり、ガソリンスタンドにも影響を及ぼす
流通における中心的存在である。しかし、日本は欧米に比べても国際的に高く、
コスト削減必要がある。タンクロウリーの大型化や計画的配送の実現など物流
コストの削減、元売り会社の経費の削減などが挙げられる。
販売業は、輸入業者の拡大や指定地区制度の規制緩和などにより、今後厳し
い状況が予想される。それらに対抗するためには次の二つの対策がある。まず
第一に、セルフ化促進による人件費の削減。人件費は運営費のコストの半分を
占めている。次に、消費者ニーズに対応することが求められる。例えば、コン
ビニエンスストアなどとの共同経営がある。
日本の石油の値段はなぜ高いのか?
ガソリンの国内輸送コストはリットルあたり2円程度、欧米ではこの半分
以下と推定されている。これは、欧米では低コストで配送できるパイプライン
網が発達しているのに対して、日本ではタンカーやタンクローリーでの配送が
主体で、さらにわが国の内航船運賃が国際水準に比べて割高なうえに、道路事
情などからタンクローリーの配送効率が悪く、陸上運賃も割高なためである。
つまりこのことは、欧米諸国に比べるとスタートの段階で大きな開きがあるこ
とを示している。
欧米では、メジャーズ(国際石油資本)のように原油の採鉱、開発、生産な
ど上流部門から、石油製品の精製、流通、販売といった下流部門までを同一資
本が一貫して運営するのが通常である。しかし、わが国にはメジャーズと対比
できるような一貫企業はなく、石油製品の輸入、精製、販売など下流部門を主
体とする企業群が石油会社と呼ばれている。これは、国内資本が乏しく、上流
部門の育成が大きく遅れたためである。またわが国では、欧米と異なり、流通
段階が複雑で多くの中間業者が存在する。これらの中間業者がそれぞれの段階
で利益を受けとるため、その分のコストが膨らんでいる。以上のような理由か
ら日本の石油の値段は高くなってしまう。
1流通効率化と内外価格差の是正…わが国のガソリン価格は税抜き価格でみ
ると他国よりかなり高い。(アメリカの約3倍)
・公的規制の緩和…自由競争を阻害している「石油業法」、「摘発油販売
業法」及びこれらを補完する「行政指導」などの一部条項や「消防法」の見直
し、石油製品の輸出入を規制している「特石法」の撤廃[最大の目的は、一つ
はできるだけ消費者の選択肢を増やすこと、もう一つは、競争を促進すること
によって供給コストを下げること](実施された)が必要。
2不公正取引の是正と利益管理の徹底
3流通トータルコストの削減
4新たなサービスの開発
・セルフサービス方式…広い敷地を必要とし、安全面への配慮も必要なた め、導入SSの規模や立地についての考慮が必要。