CIA長官のポストについては、当初アンソニー・レイクが候補として挙がっ ていた。彼は国務省局長、マウントホールヨーク大学教授を経て、93年1月 から国家安全保障担当の大統領補佐官となった、ワシントンでは馴染みの顔ぶ れの一人である。しかし、94年にボスニア・ヘルツェゴビナへの武器供与を 黙認したとされる問題で共和党が承認に難色を示し、また、CIA局内でもニ クソン政権時代、カンボジア侵攻に反対してスタッフを辞任した経緯があるた め身構える職員も少なくないといわれた。実務派のレイクにクリントンは大き な期待をよせていたが、結局彼の辞退によってレイクは長官職に就かなかった。 そして現在もこのポストの人事は空白のままである。現在、ジョージ・テネッ ト長官代行が職務を行なっており、長官への昇任が最も注目されている。