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第2週: 電子メール

2. 1 電子メール
2. 2 電子メールアドレス
2. 3 電子メールの仕組み
2. 4 Mewの起動
2. 5 メールを送る
2. 6 練習問題
2. 7 メールを読む
2. 8 返事を出す
2. 9 練習問題
2.10 Mew の中断
2.11 署名ファイルの作成
2.12 記号の入力
2.13 練習問題
2.14 MIME メッセージ
2.15 練習問題
2.16 たくさんの人にメールを送る
2.17 練習問題
2.18 メールの削除
2.19 練習問題
2.20 メールの整理
2.21 送信の中止
2.22 その他のメールソフト
2.23 メールを書くときの注意点
2.24 宿題

2.1 電子メール

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最初は,電子メールを出すのが面倒な操作だと感じるかも知れませんが, 慣れると非常に便利なものであり, 電子メールなしにSFCで生活するのは不可能になります. この時に,タイピングが楽々とできるかどうかで大きな違いが出てきますので, 今の内にタイピングを練習しておきましょう.

電子メールは,SFCでは以下のようなことに活用されています.

2.2 電子メールアドレス

通常の手紙と同じように, 電子メールを出す場合には,送る相手の宛先が必要です.

2.3 電子メールの仕組み

電子メールは,ネットワークがつながっている限り,世界中のどこにでも 届きます.どうやって相手のコンピュータを探し出すのでしょうか? それには,ドメイン名が階層的に名付けられていることを利用します.

それでは,電子メールは具体的にどのようにして届けられるのでしょうか?

  1. 作成された電子メールは,その組織の電子メールを管理する, メールサーバと呼ばれるコンピュータに送られます.
  2. メールサーバは宛先を調べ, もしそれが自分の組織内の人である場合には, 自分のところに貯めておきます.
  3. 宛先が別組織の場合には,その組織を管理しているメールサーバを探しだし, そこにメールを転送します.
  4. ユーザが Mew を起動すると, メールサーバに自分宛のメールが届いているかどうかを聞きに行きます.
  5. メールが届いている場合には,メールサーバからメールを取り出し, ユーザが管理しているファイルに内容を転送します.
  6. emacs のウィンドウに,転送されたファイルの内容が表示されます.
宛先が間違っていたり,相手のコンピュータが故障中だったりして配達できな かった場合は,メールサーバが差出人に送り返します.ごくまれに,メールサー バの不調で,配達途中のメールが消えてしまうこともあります.

2.4 Mewの起動

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emacs を使ってメールを読み書きするためのソフトは何種類かありますが, ここでは Mew を使います.

Mew を起動するには次のようにします.

  1. emacsを起動していない場合には,まず,emacsを起動します.
  2. メニューの [Tools]→[Read Mail] を選択します.
  3. 起動メッセージが表示されます.
  4. 状況によっては,エコーエリアに Range (update): と表示されることがあるので, その場合は Return キーを押してください.
  5. しばらくすると,次のようにメールの一覧が表示されます. 新しいメールが届いていなければ,エコーエリアに No new message と 表示されます.
ただし,Mew は emacs 付属のソフトではありませんので, SFC-CNS 以外のコンピュータで上の操作を行うと, Mew ではなく,emacs 付属のソフトである rmail が起動するのが普通です. その場合には,次のようにすれば必ず Mew が起動します. (もちろん,そのコンピュータに Mew が入っていなければダメですが)
  1. emacsを起動していない場合には,まず,emacsを起動します.
  2. M-xと入力します. M-xは,メタキー(スペースキーの横の菱形が書いてあるキー)を押しながら x を押すことを示しています. キーボードによってはメタキーが無いので,その場合は Esc キーを押して離してから x を押します.
  3. すると,カーソルがエコーエリアに移動します.
  4. 続けて,mewと入力します.
  5. すると,エコーエリアは下のようになります.
  6. ここで Return キーを押すと, 起動メッセージが表示され,後は上と同じです.

2.5 メールを送る

誰かにメールを送るためには,次のようにします.

  1. emacs を,メールを書く状態にします.それには,次に挙げるようないくつかの方法があります.
    • [Tools]→[Send Mail] (注意: SFC以外では別のメールソフトが起動します)
    • M-x mew-send
    • Mew が起動している状態で [Mew]→[Write/Reply/Forward]→[Write a message] w

    どれを使っても同じですが,普通はメールの読み書きをまとめてやることが多いので,まず Mew を起動し,それから w を押すのが一番便利です.そうすると,次のような状態になります.

  2. 次に,宛先,表題,本文を書きます.どのような順序で書いてもかまいません.

    • To: の後にメールを送る相手のメールアドレス(SFCの人ならユーザ名)を書きます.
    • 複数の相手に送る時は, メールアドレスをカンマ(,)で区切って続けて書きます.
    • Subject: の後にメールの表題を書きます.
    • ---- の行の下から,本文を書きはじめます.
    • 注意: ---- の行は送るための情報と本文との 境界を示しますので消してはいけません.
    • 自分の名前などを最後に書くのを忘れないように. 用件だけを書いても,誰が送ってきたのか分かりにくいです.
  3. 書き終ったら,[Mew/draft]→[Make MIME Message] C-c RET すると,送信に必要な情報が追加されます.
  4. [Mew/draft]→[Send Message] C-c C-c
  5. 送信が実行され,表示はメールを読む状態に戻ります.

2.6 練習問題

  1. となりの人のユーザ名を聞き, となりの人に自己紹介の文章を電子メールとして送ってみましょう.

2.7 メールを読む

2.8 返事を出す

受け取った電子メールに対して返事を書く場合には,次のようにします.

返事を書くときに,相手の文章を引用すると便利なことがあります.

2.9 練習問題

  1. となりの人からの紹介のメールを受け取り, その内容を読み,返事を書きましょう.

2.10 Mew の中断

2.11 署名ファイルの作成

メールの最後には自分の名前や所属を書くのが習慣です.これを毎回書くのは面倒なので,ファイルに用意しておいて,それをメールに付け加えてから発送することができます.

署名を入れておくのは,.signature という名前のファイルです. 最初に「.」があるので気をつけてください.

たとえば,次のようなファイルを .signature として用意しておきましょう.
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
藤沢太郎
t98123tf@sfc.keio.ac.jp
すると,Mew を使ってメールを書いている時に,[Mew/draft]→[Insert Signature] C-c TAB とすることで,上の内容をコピーできます.

TA/SA の中には次のような凝った署名を使う人もいます.

注意: 大量のメールを受け取る人にとっては,長い署名は迷惑です.4行以下にしましょう.

2.12 記号の入力

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上で紹介したような楽しい署名を作るには,いろいろな記号を入力しなければ いけません.

2.13 練習問題

  1. 自分のオリジナルの署名を作って,.signature に保存しなさい.

2.14 MIME メッセージ

署名では記号をうまく使って絵や似顔絵を描きますが,本物の絵や写真をメールで送ることはできないのでしょうか?

MIME という形式でメールを送ると次のような いろいろなことができます.

2.15 練習問題

  1. xxx などの存在しないメールアドレスにメールを送ってみて,どの ような返信が来るか調べなさい.

2.16 たくさんの人にメールを送る

電子メールは,一度に複数人に同じ内容を同時に送ることができます.

2.17 練習問題

  1. まわりに座っている人のアドレスを聞いて,その中の一人を To: に, 残りを Cc: に,自分のアドレスを Bcc: に書いて,メー ルを出してみなさい.さっき作った署名を付けるのも忘れずに.
  2. 他の人から来たメールに返事を書いてみなさい.Cc: には誰のアド レスが入りますか?

2.18 メールの削除

受けとったメールの中には,そのうち不要になるものもあります. このようなメールをいつまでもとっておくと, ファイルを保存しておくところが一杯になり, 必要な文章を入れることができなくなりますので, 必要のないメールは消すようにしましょう.

メールの削除は次のようにします.

  1. メール一覧の中の,削除してしまいたいメールの行にカーソルを持っていき, [Mew]→[Delete] d として, 次のように D のマークを付けます.
  2. 他にも削除してしまいたいメールがあれば, それにも同じようにして D のマークを付けます.
  3. [Mew]→[Execute] x とすると, D マークの付いたメールが削除されます.

D マークを間違えて付けてしまった場合には,その行にカーソル を持っていき,[Mew]→[Undo] u とすれば,マークを消すことが出来ます.これで削除の対象でなくなります.

emacs を終了するときに,まだ処理していないマークがあると,それを処理するかどうか聞いてきます.

2.19 練習問題

  1. さっきの練習問題で来たメールを削除しなさい.

2.20 メールの整理

受け取ったメールがたくさんたまってくると,読み直したいときに探し出すの が大変です.そこで,内容別 に整理しておくと便利です.メールをまとめておくのにはフォルダ(folder)を使います.

フォルダ名は「+」で始まります.受信したメールが入る +inbox フォルダ,書きかけのメールが入る +drafts フォ ルダは自動的に作られます.

メールを別のフォルダに移動するには次のようにします.

  1. メール一覧の中の,移動したいメールの行にカーソルを持っていき, [Mew]→[Refile] o とします.
  2. ミニバッファでフォルダ名の指定を待つ状態になります.
    Folder name (+t99000xx): +
    
    括弧の中は,Mew が提案しているフォルダ名で,そのメールの差出人の名前などから自動的に推測されます.これをそのまま採用するときはReturn キーだけを押します.それ以外のフォルダ名を指定するときは, 「+」の後に入力します.存在しないフォルダ名を入力すると,その フォルダを作成するかどうか聞いてきますので,y を入力します.
  3. そのメールに「o」マークが付きます.
  4. 他にも移動したいメールがあれば,それにも同じようにして「o」マー クを付けます.
  5. [Mew]→[Execute] x とすると,実際に「o」マークの付いたメー ルが移動します.

他のフォルダの内容を見るには次のようにします.

  1. [Mew]→[Manipulate Folder]→[Go to folder] g とします.
  2. ミニバッファでフォルダ名を入力します.
  3. フォルダの内容が変更されていたりすると, Range (update): という質問が出ることがあります.Returnキーを押すと新しい内容を読み込みます.
  4. フォルダ内のメールの一覧が表示されます.

2.21 送信の中止

メールを書いている時に,急に用事ができて logout しなければならなくなった時は,次のようにしてメールの送信を取りやめます.

  1. [Mew/draft]→[Kill Draft] C-c C-q とします.
  2. 本当に削除してよいか確かめるため,ウィンドウまたはエコーエリアで Kill draft message? と聞いてきます.yesボタンまたは y で実際に削除します.
  3. メールを読む状態に戻るので,emacs を終了します.

書き掛けのメールを保存して,後で続きを書くこともできます.

  1. メールを書いているバッファを保存して終了します.
  2. 続きを書く時は,+drafts フォルダに移動します.
  3. 書きかけメールの一覧が表示されます.ここで,普通のメールと同じように順に読んでいくことができます.また,不要なメールの削除もできます.
  4. 続きを書きたいメールを選んで表示します.
  5. [Mew]→[Write/Reply/Forward]→[Reedit] E とすると,メールを書く状態になるので,続きを書いて送信します.

2.22 その他のメールソフト

Mew 以外にもメールを読むためのソフトは数多くあります.使い方はソフトに よって異なりますので,マニュアルなどを参照してください.
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注意: パソコン用のソフトの多くは有料で販売されています.そのようなソフトを,友人から コピーして使ってはいけません.

2.23 メールを書くときの注意点

メッセージをやりとりする際には、最低限のマナーがあります。マナーを守っていないメッセージは読みにくいため、大変損します。簡潔かつ適切な文章を書き、 なるべく相手に理解してもらえるよう努力しましょう。

2.24 宿題

  1. 来週までに, 「コンピュータと私」というテーマで, 一行35字×10行以上の文章を作り,先生まで電子メールで送りなさい.
    • 先生の電子メールアドレスを聞いておきましょう.
    • 文章の最初には,自分の名前と学籍番号を必ず書きましょう.
    • 自分で35文字を数えなくても,適当に入力してから M-q を押すと, その段落(空行から空行まで)を35文字に揃えてくれます. 追加や削除をして文字数が不揃いになっても,一発で直すことができます.
  2. 今週の内容が物足りない人は,Mew のマニュアルで他の機能を調べて下さい.emacs で [Help]→[Manuals]→[Browse Manuals with Info] C-h i とすると,次のようなインフォの画面になります.
    Mew という項目が2つありますが,その下の方(上の方は英語版です)をマウスの中ボタンでクリックすると,Mew の日本語マニュアルが表示されます.後はSpaceキーを押して順番に読んでいくか,太字の項目をマウスの中ボタンでクリックして必要な部分を読みます.インフォを終了する時は,[Info]→[exit] q とします.

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