自己変革能力のある社会システムへの道標(抜粋)#3
2009.10.28 Wednesday 22:08
井庭 崇
ボイス・アブソーバーでは、提案されたあらゆるボイスをフィルタリングせずに公開する。そして、一般市民や後に述べるポリシー・インキュベーターからのアクセ スを受け入れ、それぞれの要求に応じた検索を行なえるような情報システムを備えて いることが重要である。二十四時間いつでもボイスを受け入れたり、あらゆる手段によって受け付ける必要がある。電話やFAX、電子メールで送ることもでき、直接訪ずれることも、また街の中継所やスーパーなどで書き込むこともできるようにするなど、人々の心理コストを軽減するための配慮が求められる。そして、ボイス・アブソ ーバーは、様々な手段で提出されたボイスを、一貫した情報データベースになるように管理するのである。
このボイス・アブソーバーという社会装置は、政府や民間企業が行なっても構わ ないが、中立性を保つ意味でも複数のNGOが設立することが望ましいと思われる。 いずれにしても、このボイス・アブソーバーの組織が日本全国に存在することにより、 日本社会に欠けていた発言オプションを実現することができ、社会の自己変革能力を 支える柱となる。
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