ヴァーチャル世界「セカンドライフ」

2007.07.21 Saturday 03:30
井庭 崇



Second Lifeの特徴(2) 新しい経済圏の創出
 Second Lifeの世界では、経済取引ができる。ここでの通貨は、「リンデンドル」(L$)という単位。物を売ったり、物を買ったりできるだけでなく、Second Life内でアルバイトをすることもできる。例えば、ラーメン屋で働いたり、用意された洋服を着て立っているモデルのバイトや、集客を気にするサイトでただ座っているだけのバイトというのもある。もちろん、実際に何かのモノや建物を作ることができればそれを売ることも出来る。
 これまでにも、オンラインRPGなどで経済取引が行われていたが、Second Lifeがユニークなのは、このヴァーチャル通貨であるリンデンドルが現実世界のアメリカドルと換金できるということだ。つまり、外国為替のように、アメリカドルを払って、リンデンドルを買うことが出来るし、逆にリンデンドルでアメリカドルを買うことも出来るのだ。なので、このSecond Life上で儲けるということが、ユーザーにも可能だということになる。すでにアメリカでは、1億円稼いだという人もいるらしい。なんとも、すごいことだ。

Second Lifeの特徴(3) モノづくりと世界構築
 Second Lifeの世界では、権限がある人(土地を所有する人 or 土地の所有者から許可された人)であれば、オブジェクト(モノ)をつくることができる。作り方は、いわゆる3Dモデリングをしていく。「プリム」(プリミティブの略)といわれる基本的な形を変形させたり組み合わせたりしながら、つくりたいオブジェクトをつくっていくのだ。
 このオブジェクト生成は、Second Lifeの世界の中で行うというのもユニークだ。外部のモデリングツールでモノを作ってからそれを世界に配置するというのではなく、その世界のなかで、モノをつくっていく。なので、あるアバターがオブジェクトをつくっているところを、他のアバターが見ることができる。これによって、チャットで相談しながら、一緒につくるということが可能になるわけだ。

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