竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(3)

2010.12.03 Friday 23:11
井庭 崇


2010年11月27日に行なった特別対談 “政策のパターンランゲージに向けて”の冒頭で、竹中平蔵先生が「小泉内閣が発足したとき、メールマガジンとタウンミーティングのアイデアを出してくれたのが井庭さんだった」と、当時のエピソードを紹介した。

今回の対談は、いわば「政策デザインのイノベーション」がテーマだったので、「政治的コミュニケーションのイノベーション」の話をする時間がとれなかった。そこで、対談の補足として、この「政治的コミュニケーションのイノベーション」について書きたいと思う。


まず、そもそもの背景だが、小泉内閣が発足した当時は、森内閣の直後で、政治への不信が高まり、かつ、人々の関心度が薄れている状況だった。そこで、「政治のコミュニケーション」を変える必要があるのではないか、と考えた。つまり、政治家と一般の人たちとのコミュニケーションの新しいカタチを考えることができないか、と。そして、その「政治家と一般の人たちとのコミュニケーションの新しいカタチ」として、「内閣メールマガジン」と「タウンミーティング」のアイデアを提案した(僕がまだ博士課程の大学院生だったときの話)。

もう少し具体的に説明していくことにしよう。


1. コミュニケーションの新しいカタチ

僕ら一般人にとっては、普段、政治家の発言や振る舞いは、TVや新聞、雑誌などのマスメディアを通じてしか触れることはない。つまりマスコミのフィルターを通した情報が、いくぶん強調されたかたちで届けられる。多くの人は、そういう情報であると心のどこかではわかりながらも、情報をそのまま受け入れたり、話半分に受け取って残りを自分の想像力で埋め合わせたりしている。【Context】

[9] >>
-
-


<< 竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(2)
竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(4) >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.20R]