「生き生きとした学び」を実現する教師の新しい役割=アーキテクトビルダー

2012.08.27 Monday 15:48
井庭 崇



アレグザンダーのこの本には、別の箇所に、アーキテクトビルダーの役割について触れているところがある。

アーキテクトビルダーの演じる様々な役割(パタンランゲージを教えること、人々が自分の住宅をデザインできるようにすること、さらに自分の住宅を施工できるようにすること、そして近隣全体としての漸進的な改善を助けること) (p.84)

通常の場合には、その地域のアーキテクトビルダーが、その地域性に応じて、パタンを修正し洗練することになるはずです。 (p.98)

これらを読むと、学びのアーキテクトビルダーが何をするのか、少しはイメージがつかみやすいかもしれない。

最後に、アーキテクトビルダーの活動の規模感がわかる、具体的な数字が出ていたので、取り上げたい。

どのアーキテクトビルダーも一度に二〇軒以上の住宅を扱うことはありません。けれども、彼は設計と施工の両方に全面的に責任を持ち、各住宅に固有のディテールまで立ち入って個々の家族と密接に関わりながら働きます。このように、この施工モデルでは設計と施工の両方が一つになると同時に、地域に分散、密着していきます。(p.60)


僕の大学の研究室の指導学生の数とこれまでの経験を踏まえると、この数字は、学びのアーキテクトビルダーの話としても、結構いいラインではないかと思う。

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