ある一人の研究者の転換点をめぐるメモワール
2013.02.14 Thursday 07:08
井庭 崇
初めて、国際的なCGなどのカンファレンスであるSIGGRAPHに行った。「カオスの足あと」(のちに、ChaoticWalkと呼ぶ)の発表をして、まったく違う領域にも踏み込んでいた。
いろいろ迷いながら、サバティカルで行く先をMITのCenter for Collective Intelligenceという研究所にした。Peter GloorさんがCollaborative Innovation Networkという視点で新しいネットワーク分析をしていた。
このころ、サバティカルで行く先をいくつか迷っていて、ネットワーク科学の中心のバラバシラボも考えたりした。実際会いにいっていろいろ話したりもしたけれども、自分がガチであの手の解析だけで行くのかというのに迷いがあった。創造性やその支援ということに当時も興味があったから。
もうひとつ、MITメディアラボも魅力的だった。ミッチェル先生やレズニック先生など、いくつかの研究室を見学させてもらって話もしたけれども、やはりものをつくるという側面が大きく、僕の抽象的なメディア観と合いにくい(僕があまりにも門外漢すぎる)というのを感じた。
(もちろん、何のツテもないので、アポをとって、現地に行き、自分が何者で何をしたいのかを説明し、相手側がやっていることを聞き、その接点を探るということをしていくのであって、僕が行きたいから行ける、というわけではない。)
こうして、いろいろ迷った挙げ句の果て、Peter Gloorさんのもと、MIT Center for Collective Intelligenceに行かせてもらうことにした。このセンターの所長は『The Future of Work』の Thomas W. Malone教授。
[7] << [9] >>
-
-
<< 詩、小説、そしてパターン・ランゲージ
創造社会とクリエイティブ・メディア >>
[0] [top]