ある一人の研究者の転換点をめぐるメモワール

2013.02.14 Thursday 07:08
井庭 崇



そうそう、そのころ『Refactoring: Improving the Design of Existing Code』image[]を買い、他の人が書いたパターンは、かなりためになるという実感もした。自分のプログラムの改善に役立った。

で、朝から晩までプログラミングをしていたとき、さきほどの『Reinventing the Sacred』に本が出ているのを見つけた。この本で、複雑系の熱が再燃して、日本語訳だけもっていた複雑系の本の原著を買い集めることに。やっぱり面白くて、これで原点回帰することになった。

で、もうひとつ、『How Mathematicians Think』は僕のなかで大きな変化をもたらした一冊(僕の人生を変えた10冊のなかに入っている)。この本は、ロジカルな数学というのを生み出す数学者は、生み出す過程ではロジカルではなく創造的なのだ、という話を書いた本。サブタイトルをみれば、それがわかる。『How Mathematicians Think: Using Ambiguity, Contradiction, and Paradox to Create Mathematics』(William Byers)。とても刺激的だった。

この本が、ambiguity、つまり、「多義性」というかある種の「曖昧性」のようなものが創造において重要であるということを意識するきっかけになった。そして、それまでコラボレーションにおける創造性を考えていたけれども、個人のなかでの創造性も面白いと思った。

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