ある一人の研究者の転換点をめぐるメモワール
2013.02.14 Thursday 07:08
井庭 崇
ルーマンの社会システム理論image[]などの本で重要な箇所を抜き出し、それを「社会システム」ではなく、「創造システム」の話といてパラフレーズして書いていく。そうすると、ルーマンの思考の型を使って、社会ではなく創造を考えることになる。そういう作業を進めた。
「社会」と「創造」は本来違うものなので、一筋縄ではいかない。単に、横滑りさせればよいというものではなく、なぜルーマンは社会をこのように捉えるのかや、なぜこの概念をもってくるのかなどの背後の意図や機能について考えざるを得なくなる。
このときは、本当にルーマンの理論の理解が進んだ。その理論を学んで理解する立場としてではなく、つくる側として理論に向き合う(もちろん本人ではないので僕なりの想像による解釈にすぎないが)、ということができた。これこそ「つくることによる学び」である。
こういう作業をしながら、書き上げたのが、10+1 webの原稿。この原稿は本当に苦しかった。書いたあとも、「なんかわかりにくい変な論文になってしまってすみません」と編集者にメールをしたのを覚えている。
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