素顔なんてないの
 

なんでもビッグなの。大きければいい、って言うカ レ。夢とロマンがあって、ス・テ・キ


small is beautiful.
誰が、こんなうまいコピーを考えたのでしょうか。これがあるので、安心して、『ぼくって、背伸びしてまで素敵な恋人を見つけようなん て、思わない。身近なところで満足したいんだ。それがささやかであっても、それ だからこそ幸福なんだ。ブスだって、美しい。』なんて戯言が自信をもって語られ ます。ブスが平気で大通りを彼の腕をつかんでかっ歩する光景が、いつの日からか 当たり前のことになりました。平和とは、こういうことです。
大きいことは、いいことだ。ここには、文句のつけようのない社会の理があった ような気がします。気がします、なんてちょっと逃げ腰な発言ですが、時代が変わっ たので仕方ありません。上をみてください、33%の支持しかありません。
昔、美人は、多すぎるほどのブスを見下す権利をもつことで、羨望&尊敬されま した。その権利は絶対的な尺度でもって評価されたがゆえに、美人はブスどもを無 視する役割を見事に演じたのです。サヨナラ、銀幕のスターたち。
いま、隣のおねえさんです。これが美しいというのですから、なにをかいわんや です。右耳の渦巻きがセクシーだから、おねえさんは美人だ。なんですか、これは。 でも、だから、みんな幸福になれたんだ、というのも真実です。あなたも美人にな れる、それなりに、それなりに。そして、あなたも・・・

これが、small is beautiful の世界です。ショボイ。
こんな時代に、『成りあがり(how to be BIG)』でもないでしょうが、矢沢永吉は、男をみせます。

単なる音楽好きが
絶対スターになるんだに変わった
板金屋になるのはやめだ

『成りあがり』矢沢永吉(p.54)