素顔なんてないの
 

目的があると、ガムシャラなの、カレ。
そんなとき男が生きている、って感じなの。ワタシ愛します。



『目的』という言葉には、まだ弱いようです。77%が支持します。

a) いまの状態は、何か不満だ。おもしろくない。何かないかな。
b) 未来には、もっと素敵なことがないのだろうか。考えよう。
c) あった、それだ、それはいい。(″それ″は、あなたが考えてください)
d) その魅力的なことは、どうすれば実現できるのだろう。
e) しっかり計算したけど、あれと、これがやっぱり必要だ。それは大変だな。
f) でも、なんとかやれそうだ。不可能ではなさそうだ。
g) 未来の魅力は、そのために必要な大変なことを引いても、まだ色あせないし、しかもいまの状態をずっと続けていくよりも、はるかに素晴らしい。

目的があると、もう悩みません。悩むとしても、些細なことです。たとえば、どの 受験参考書がもっとも効果があるか、といった程度の悩みです。大学って何、といっ た深く広くそして漠としてなんだか分かんない悩みはありません。だから安心してガ ムシャラに突進していくのです、受験戦争のなかに。勝つために。その向こうに何が あるか、は考えません。それは向こうにいってから考えればいいことで、いま悩むこ とではありません。今しなければならないことは、どうすれば早く安くそして簡単に 向こうにいけるか、その手段を真剣に考えることです。一度、目的を決めると、後は 走るだけです。ランナーとしてスタートラインに立てば、もうゴールだけしか見えま せん。

でも、目的には、その裏に涙があります。
目的は、それ以外をすべて切り捨てることで成立する酷いゲームです。すべてを切 り捨てる決断をしたとき、あきらめ顔は見せてはならないタブーになります。ゴール を見つめる鋭い眼差しは、あきらめを放棄した男がみせる精一杯の強がりなのです。