リサーチが目標としているのは、可能な限りのレヴェルの高さを持ったエヴィデンスを手に入れることにある。エヴィデンスにとって重要なのは、その”質”であって”量”ではない。的を得た良質のエヴィデンスの1つは、ありふれた10のエヴィデンス以上にその論点を支えるであろう。良質のエヴィデンスを手に入れるためには、リサーチのプランを実行しなければならない。行き当たりばったりに本を読んだり、ひとつの分野から別の分野へと動き回って、エヴィデンスを作り出したりしても、ひとつの論点を支える質の充分なエヴィデンスは見つけ出すことが出来ないのが常である。ディベーターは、リサーチのプランに従って行動しなければならないのだ。
-Blueprint Plan of Research-
何事にも、初めが肝心である。リサーチの第一段階は、
(brain storming)-自由に思い付いたことを出し合う議論(法)-である。ブレーン・ストーミングは、論題に関係があると思われるアイデアを自分の頭で(brain で)探す、その過程のことであるが、この段階では、個人や集団の偏見が存在している可能性がある。ふつう、その場にいる人が多ければ多いほど、出てくるアイデアは多い。まずは、出てきたアイデアを全て書き留めてリストを作ってみよう。このリストは、次の段階-図書館詮索-に進む時になって、役立つだろう。
図書館の書籍への案内となるのが、
である。これには、著者、書名、題材によって、図書館にある全ての本がリストアップされている。今、あなたが題材によって本を探しているとしよう。例えば、1987年から88年にかけて高校のディベートのテーマであった、
をリサーチしているとしよう。まず最初に見なければならないカード・カタログは、
の項目である。次に、穀物、作物、食料、農場、小麦、トウモロコシ、といったような特定の農業分野を参照する。自分が作った領域のリストを探しながら、それに付随する領域をカード・カタログで相互参照 (cross-reference) する。新しい領域を発見するにつれて、鍵となる言葉 (key terms) のリストを持たなければならなくなる。記憶力に頼ってはいけない。ひとたび、カード・カタログから予備の図書目録が完成すれば、ほかの一般的な情報源を参照し、詮索したくなる。心しておかねばならないのは、テーマに関する新しい領域を発見するにつれて自分の図書目録を最新のものとするために、カード・カタログに戻るのだ、ということである。
テーマに関する一般的な情報にとって、次に挙げる書籍は役に立つであろう。
ディベートされるテーマでは、入手可能な様々な専門的な目録を出来るだけ調べてみたいと思うものだ。大抵の図書館には、目録のリストが備えてあるが、それに全ての出版社が載っているわけではない。たとえ図書館に出版社が載っていなくても、その目録には、きっと信頼できる記事が網羅されているはずだ。いずれは、別の図書館で次に挙げるような目録を使う機会もあるだろう。
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:これから示す目録は原本(” Getting Started in Debate”)に載っているものであり、とりあえず私たちには関係がないかもしれませんが、一応挙げておきます。)
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リサーチを始めるときに、次に述べることは頭に止めておく必要がある。それは、どの索引も目録も、極めて広範で多様な見出しをもとにまとめられているが故に、とにかく、それらを使うときには、自分で考えなければならない(Use your imagination)ということだ。それに、キー・タームのリストも、自分なりによく練られたものでなければならない。そのリストを一目見れば、リサーチする記事や書物がわかるキー・タームでまとめられてこそ、自分のリストといえる。次の論題を見て、はっきりと頭に浮かんだキー・タームには、どんなものがあるだろうか?
この論題のテーマをもう一度見てみよう。上に挙げたキー・タームの背後に、例えば「貧困」というテーマを扱うときに考慮しなければならない別の領域や案はどんなものだろうか。
上に挙げた単語はどれも、貧困という問題に関係がある。例えば、本人の意志と違って職がないという人は、不幸せであろうし、ストレスも溜まり、その結果として”暴動”を起こすかもしれない。また、”科学技術”の進歩は現在の職種やその数に影響を及ぼすであろう。政策にその原因を持つにせよ持たないにせよ、”インフレーション”に対する連邦政府の立場は、アメリカ国民のかなりの数の単純労働者に、限定的な影響を与えることだろう。「頭を使え。(Use your brain.)」と書いたことを忘れないように! 一見明白な物事の、その背後を考えなければならないのだ。
-Questions for discussion-
とは、何か。
の意味を説明しなさい。
-Activities-