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Juli 26, 2005
希望
希望って、過去によく立ち現れてくる。あの頃は希望があったなって。何も知らなかったくせに、何でも出来る気がしてたなって。あの時に希望があったなって。
でも、それは幻想で、あの時もそこにいたのは、冷めていて過去を振り返るばかりの、今と何も変わらない自分で。希望っていうのは、可能性と共に成立しうる概念だけど、だけど可能性って実は厳しくてしんどいもの。常に、成功する可能性の裏には、失敗する可能性が存在している。
そんな可能性なんてものを前に、ナイーブに希望を持てる強さなんてなく、あるとしたら幼時的な根拠のない裏づけに支えられた全能感くらい。希望と呼ぶのには、あまりにも脆弱な。
だから、希望なんて、現在にはもてない。ただ、終わってしまった過去に、そこに存在した可能性と、そこに存在しえた希望には、辛うじてリアリティーを感じられる。希望は、そこにあったって。今はもうないけど、そこにはあったはずだって。もう失敗も成功もありえない過去だからこそ、終わってしまった希望というものを、そこに見ることが出来る。
投稿者 POE : Juli 26, 2005 11:25 EM
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