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August 23, 2005

便利*監視

管理社会は是か非か。もはやそんな問題提起が滑稽に見えるくらい、あらゆる場所でいわゆる管理社会化は進行している。amazonは「あなた」へのおすすめ情報を蓄積し、ポータルサイトは「あなた」へ向けたトップページを準備し、まちには監視カメラが並び、諮問認証がシンクパッドにも携帯にも装備される時代、いかがお過ごしですか。

ただよく言われるように(たとえば鈴木謙介『カーニヴァル化する社会』、新書だけどね)管理社会化は管理国家化ではない。つまり、マシンによるデータの監視であって、その管理社会を望み支えているのは私たちだということ。「華氏451度」や「1984」が描いたような未来とは少し違う。

で、何がいいたいかというと、管理社会って便利だなあ、と。たとえば郵便の追跡サービス。日本からノルウェーまで約一週間かかるのだけど、いまどこに荷物があって、いつ届きそうかということがコード番号ひとつでわかる。大量のものを、何万キロを超えて送るのってやっぱり不安だから、きちんと追跡されていると知れることは安心。

で、何がいいたいかというと、非管理社会は不便だなということ。たとえば空港での出国手続きと、移住届けは連携していない。きちんと日本を出国したはずなのに、こっちで大使館に出向いて在留届というものをわざわざ出さないといけない。

で、何がいいたいかというと、5年くらい前から在外邦人も比例区には投票ができるようになったのだけど(小選挙区に関しては、今度の選挙が終わった3日後に最高裁判決がでます、だめじゃん)、それにも在留届とは別に手続きが必要になる。しかも、これには日本ですんでいた場所での転居届けも必要らしく、どうやらぼくは選挙には参加できないらしい。不便だ。

だからといって、たとえば身体にtipを埋め込んで、どこにいても位置が特定できて、出国手続きの長い列がなくなって、ただゲートをくぐるだけで身元が特定されてとか、そこまでの未来を期待していて、手放しで肯定できるかといったら、それも難しい。でも、情緒とかとっぱらって、結局便利なものって、切実なときほど、それがうれしい。

郵便追跡の無機質な15桁のコードが、すごくうれしい。

投稿者 POE : August 23, 2005 09:58 EM

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