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Oktober 19, 2005

しあわせのそうりょう

考えたいこと、書きたいことはたくさんある。
でも今はメモしかかけない。

たとえば、北欧型福祉国家の問題点。すごく大まかに言うと、社会主義と違って資本主義の中で公共の福祉をしていきましょうというのが北欧型の福祉国家。つまり、育児だとか介護だとかを、家庭に押し付けず、市場化もせずに、公共のものとして国家が責任をもって担っていきましょうという方針。高度に脱商品化され、福祉と労働が融合している。

また、日本にも生活補助や育児補助などはあるけれど、その保障する「最低水準」が比べ物にならないくらい北欧は高いところに設定されている。

よく指摘される問題点は3つ。まずは、税金などの高負担。そして、福祉がしっかりしているために働かなくても生きていけるので、制度へのフリーライダーが出てくる点。そして、福祉国家の外側、たとえば第三世界をどう視野にいれてゆくかという問題。

特に大切だと思われるのが3つ目の問題。つまり、北欧型の福祉国家は、誰かの犠牲に上に成り立っているという点では、他の資本主義国家と変わらないということ。資本主義は男ー女だとか、差異を利用する仕組み。ブルデューくん風に言えば、膨大な敗者のおかげでこの資本主義という勝負は成り立っている。

北欧型福祉国家もまた外部の敗者を必要とする。外国人労働力、必要なものを生産するための工場。
もちろんそのことに北欧は自覚的だからこそ、紛争解決や貧困問題に積極的な行動をとっている。だけど、それは問題の解決を意味しないし、でもだからといって他に何かがあるわけではない。

難しいよね、みんなが同時に幸せには決してなれない。しかも幸せの総量は、北欧だけでならみんなでわけても一人当たりの配分はかなり大きいから大丈夫。だけど、世界中で分け合えるほど、資本主義の用意した幸せは大きくないみたい。

もちろん幸せの概念を変えることが出来たのならば、はなしは変わってくる。だけど、そんなことを言い出す人こそ、他人の幸せの基準だけを変えて、その人たちから今のままの幸せを搾取しようとしているだけかも知れない。

しかも、ひとの一生は世界の変化に対してあまりにも短い。たとえば黒人と白人の地位が今とは逆転した時代が歴史を眺めてみれば見つけることができるけれど、そのような変化はひと一人が生きているうちで二度も、三度も起こるようなものでもない。

ノルウェーの新聞から。(英語)http://www.aftenposten.no/english/local/article1138173.ece

投稿者 POE : Oktober 19, 2005 06:12 EM

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