Juli 19, 2006
スペースシャトル
スペースシャトルが無事に帰ってきた。
広報活動に躍起なNASAの面目も辛うじて保たれたわけだけど、
実はシャトルはあと5年もしない2010年までに退役が決まっている。
スペースシャトルの開発が始まったのが1970年代中盤、
初飛行が1981年だから「やっと」という言葉が本当は相応しいくらい、
実はスペースシャトルというのは「古い」ものなので、驚くことじゃないんだけれども。
スペースシャトルを、宇宙開発史に汚点を残すくらいの大失敗とする見方もある。
実際この25年で本体が木っ端微塵になる大事故を二回も引き起こし、
それにより輸送コストも上がってしまい世界各国にそっぽを向かれる始末。
そもそも、「宇宙に安くモノと人を運ぶ!」っていうのがシャトルの基本コンセプトで、
はじめは毎週シャトルを打ち上げるぞ!ってNASAはすごく張り切っていた。
世界も、それまでの使い捨てじゃない翼のついたロケットに新時代を感じたりしていた。
実際は、一回の目標打ち上げコスト30億には遠く及ばない、
800億円が毎回の打ち上げにかかっている始末。(桁さえ違うし)
毎週どころか最近は毎年にさえ打ち上げられていない。
考えてみれば、翼だって着陸時にしか使わないんだから、
わざわざ宇宙まで持っていく意味もわからない。(かっこいいからいいけど)
最近のシャトルのお仕事は、国際宇宙ステーション(ISS)の建設なんだけど、
これも打ち上げ中断が長すぎて完成できるかどうかもわからない。
そもそも冷戦が終わる前にレーガンくんが言い出した建設なんだけど、
1992年だった完成目標は延期され続けて、規模も縮小されて、
今でも2010年を目標に作り続けている曰くつきの大公共事業。
しかも言いだしっぺのアメリカは、もう手を引きたがってて、
2010年にスペースシャトルを退役させた後は、
ISSに人員輸送も行わないつもりでいる。
,,,飽きたから、もうまとめちゃうけど、
こんなのが今のアメリカの宇宙開発をとりまく状況。
うっかりすると忘れそうになるけど、今ってもう21世紀で2006年なんだよね。
想像していた未来とは違う場所を、
でも想像と同じ年号が毎年訪れていくって、
シニカルな気分になれていいと思う。
投稿者 POE : Juli 19, 2006 12:51 EM
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