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November 25, 2006
消えた後
届きそうのない夢の時代
夜更けまで包み続けたプレゼントの
受け取り手は今、どの国を歩いているのだろう
憂いの空へと差し出した手
空が緩やかに地平へと着陸するまでには
誰かが気付いてあげられればいいけれど
まるで一人続けたゲームのように
終わることもなくカードばかりが巡る
ひかり、薄ぼんやりと
京浜へと降り注いでいる
どうにかして託し続けた熱は
世界中でいま、一人一人に分けられたはず
わずかな温もりさえもここにはないから
きっと誰かが二人ぶん暖かいんだと
笑える人さえあまりいないほど冷たい日々
ここにいるだけで
全てなんて見えはしない
だけど欲しいものくらい見つかるよ
翼はずっと前の日に使わなくなったまま
クレジットカードナンバーだけ覚えておけば大丈夫
嘘も本当もここにはないから
うまく歩けるかどうかも気にしないでいい
さっきダウンロードした歌手にでも
悩ませておけばいい
眠る前の少しだけ
思い出すあの横顔は
ずっと探し続けているのにまだ見つけられない
外へでも出ればわかるのかな
夜風にでもあたればいいのかな
恐れの国から逃げていた君たちの
メモに残してあった場所はそこなのかな
戻る場所はもうないけれど
戻れたはずの場所が夢見た場所も、もうないけれど
それを語り合う人さえも、もうないけれど
痕跡探し、またはじめてみたら
意味にまだ届くことを信じてみたら
うまくは届けない
ホームの片隅、空色のポストのように
誤配された手紙でも読めるかも知れない
凪の海
一瞬、泡が反射した気がした
November 16, 2006
同じようで
僕の存在する巨大な世界の中
果てしの無い紺碧空
数え切れない影
蘇る風、穏やかに
The more people there are,
the less human they seem
交差点を
抜けきるように
数えようもない人々
その中で一人
今日は昨日までとは違うと
思い知らされる
君たちのいた巨大な世界
果てしの無い地平線
風は今戻らない
全ては過ぎてゆく眺めの中の出来事
同じように、何事も無いかのように
人なみをまた通り過ぎる
君たちの残したドアを通り過ぎる
思影を忘れながら脱ぎ去りながら
今日は昨日までと何もかわりのない
そう再び思い出せる
November 03, 2006
クローサー
近付くほどに
別れてゆく夢
あきれるほどに
遠ざかる答え
あのまま立ちすくんでいればよかったな
なんとなくわかったふりしてればよかったな
こんな場所まで来て思うのは
あの日見ていたこの場所のこと
信じるほどに
離れてゆく人
悲しいほどに
離れてゆく距離
あのまま知らないふりを通せばよかったな
どうしてそれでも前へ進んじゃったんだろうな
虹が遠くまで続いてるだとか
風がやけに優しく冷たいとか
こんな場所まで来て思うのは
あの日感じていたことと変わらない