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Oktober 29, 2006
物語の終わり、現実は続く。
物語は終わりを迎えても、
現実の日々は尽きることなく続いてゆく。
物語にはいつだって、
終わるべき場所がある。
美しい終わり方がある。
意味のある終わり方がある。
だけど、幕を引いてみたところで、
幕の裏で登場人物たちは消えてしまうわけじゃない。
続いてゆく日々。
いくら無様でもシンデレラは
歩いていかなくてはいかない。
シンデレラがたとえば姿を消したとしても、
シンデレラのいた世界は消えたりはしない。
(別に華原朋美だとかのことじゃないよ)
Oktober 26, 2006
HERE I AM!!!!
Oktober 20, 2006
既存
ある授業でみんなが「きぞん」「きぞん」と言っていて、
少し気になったのでその場にあったケータイで変換してみた。
ぼくは長い間、それは「きそん」と読むのだと思っていたのだけど、
ケータイでは「きそん」だと「毀損」「棄損」しか変換候補に出されず、
「きぞん」だと「既存」ときちんと変換される。
だけど辞書を引くと「きそん」となっていた。
おそらく権威のある場所では長らく「きそん」が正しかったのだろうけど、
ケータイレベルではもはやそれは、当てはまらないらしい。
すごいのは「きそん」でも「きぞん」でも変換されるとかではなくて
「きぞん」でしか変換されないということ。
こうやって言葉は変わっていくのかな。
そのさき
防波堤に座り込む
厳しくなりそうな季節
太陽の運行をいとおしく眺める
失いかけた指先が少しだけあたたかい
熊本市八代海
いつもあり得ない街が見える街
東へと別れたきりのあの人や
西へと続く道を行った君が
出会うこともあるのかな
キューブのような空を
フラットに歩いてはいけない
まだまだ尖った僕たち
風はもう冷たいけど
片目を閉じて空を見上げてみるよ
東へと別れたきりのあの人や
西へと続く道を行った君が
進むこの星は丸い
Oktober 19, 2006
そうな
名前もなく空をゆける
そんな朝の群れが海岸へたどりつく
一晩さえも泳ぎきれずに
人はまた屈託さえなく東を探す
届きそうな ふるえそうな
もう一度戻れるくらい深く
大きすぎる夏の中で一人きり
足音が近づいてくる
鍵を開けておくべきだった
あふれそうな 叶いそうな
もう二度と願わないほど遠く
守れそうな 頼れそうな
もう明日は忘れないほど近く
Oktober 07, 2006
19,
帰りがけに見た空
2000キロも離れてしまった夢を
どうにか繋ぐには心もとない
見える世界の半分だけを
置いてくればよかった
色が消えてしまう前に
世界を置いてきてしまえばよかった
まだ19才にも届かない
熟しようもなかった季節の断片
同じような秋が来るとまた
忘れてしまいそうになる
通り過ぎた風には
あの国でも同じ匂いがしていた
右には一途すぎる澄んでゆく壁
見える世界の半分は
今もあやふやだから
ここに全てを置いていこう
あの日の約束の路地裏スケッチ
まだ19才にも届かない
届きようもなかった社会の断片
同じような夢を見るとまた
忘れてしまいそうになる
まだ19才にも届かない
熟しようもなかった季節の断片
同じような秋が来るとまた
忘れてしまいそうになる
Oktober 04, 2006
非常階段をのぼるように
非常階段を一段、一段昇っていくみたいだった。誰にも知られずに、誰も知らない場所へ行けるような気がしていた。本当はすごくそばにあるのに、本当はいつだって見えているのに、誰もが気にも留めない。もしかしたら天国や地獄は、そんなふうにこの世界の中に隠れているのかも知れない。池袋がいい。でも新宿でも渋谷でもいい。どこかにそれはある。私はそれを知っている。知るという状態までたどり着けた。私にとってのそこは、非常階段の先で、天国で、ここで、そこだ。だから、もうその先のことはどうでもいい。そこは、どこでもいい。