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2004年09月18日
第6回 新しい帝国主義
第6回 新しい帝国主義:米国とインターネット、ソフトパワー
■冷戦の後の時代
冷戦の時代:1945〜1991
ポスト冷戦の時代:1991〜2001
ユニラテラリズムと地域紛争
NGO、NPOの台頭
ポスト・ポスト冷戦の時代:2001〜
9.11、イラク戦争
新帝国主義論
この時代を説明するにはどうしたらいいか
プラットフォーム化する国家
ネットワーク理論
土屋大洋「新帝国主義論とインターネット」
■もう一度帝国主義に戻るべきだという意見が出てきた
■マルクス:資本主義→<共産革命>→共産主義(ユートピア?)
■レーニン:資本主義の最終段階としての帝国主義
■イギリスのトニー・ブレア首相の外交顧問:ロバート・クーパー
(1)「万人による万人の闘争」状態から抜け出せない「前近代国家」
(2)西欧やカナダのような武力解決をもはや考えない「ポスト近代国家」
(3)伝統的な「近代国家」
日本:ポスト近代国家に近いが、地政学的な制約から抜けきれていない
アメリカ:相互依存の必要性や望ましさを認めていない伝統的近代国家
現在の世界の混乱を収拾
→人権とコスモポリタン的価値に合致した「新しい帝国主義」が必要
その主役はアメリカではなく、ポスト近代国家であるヨーロッパ
静かな賛意と激しい批判
■セバスティアン・マラビー「気の進まない帝国主義者」
貧しい国々の無秩序が他の国々の脅威
→ アメリカがリーダーシップによって力の空白を埋め、世界の安定を取り戻す
■ジェームズ・チェイス
すでにアメリカは帝国
安全保障上の脆弱性を徹底して回避する
→ 他の国の干渉を受け入れることはできない。
結局のところ西欧や日本とも完全に価値を共有しているわけではない
独立した政策を維持するためには、(妥協を伴う)外交よりも武力が好ましい
しかし、アメリカの全能に対する脅威
← ヨーロッパや日本の疎外感、中国やロシアの警戒心
アメリカ帝国の存続期間
→ 潜在的なライバルとの間に共通の目標を見つけることができるかどうか
■ジョセフ・ナイ
軍事の次元ではアメリカは唯一の超大国だが、世界はそれほど単純ではない。
経済の次元ではヨーロッパや日本などを含めた多極的な世界
政府のコントロールの及ばない超国家活動の次元
→ 金融取引が瞬時に行われ、テロリストやクラッカーたちが暗躍
この次元ではパワーは分散されており、アメリカ一国主義を唱えても意味がない
軍事の次元を見ているだけでは不十分
アメリカの利害を追求するには他国の協力が必要
ソフトパワーの重要性
■マイケル・ハートとアントニオ・ネグリ『帝国』
現在のグローバリゼーションの大きな流れの背後にあるもの
→ multitude:群集、多数、大衆、大勢
「帝国」の概念は「帝国主義」とは隔絶したもので、新しいグローバルな主権形態
マルクス主義の影響
■マイケル・イグナティエフ『軽い帝国』
アメリカに帝国としての決意はあるのか?
投稿者 taiyo : 2004年09月18日 18:19
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