水上の都
京都に来た。立命館大学の集中講義のため。
京都駅ビルではいきなり麗蘭の無料ライブをやっていて大騒ぎだった。思っていたよりもずっと京都は元気があるように見える。観光シーズンが始まっているからか。
NHK「アジア古都物語」プロジェクト編『NHKスペシャル アジア古都物語 京都 千年の水脈』日本放送出版協会、2002年。
を新幹線の中で読む。とてもおもしろい。京都は四方を山で囲まれているが、その山々は地下の基盤岩でつながっている。つまり、大きな岩の水がめになっている。長い年月の間に、その水がめの中に海水が入り込んで粘土を運んできたり、山々から流れてきた土砂がたまったりして、今の京都の町の基礎になる平野が作られた。この平野に雨が降ると水が入り込んでくるが、出て行くのは淀川一本だけ。つまり、水がめの中に水がたぷたぷと溜まっている状態になっている。鴨川の上流に行くと普段は水の流れが見えないが、その下には伏流水が流れている。京都で井戸を掘ると水がたくさん出るのは巨大な水がめになっているからというわけだ。その量は実に琵琶湖に匹敵するという。堀川や今出川など数々の水に関連する地名が残っているのも、京都が水の都であることを示している。水が豊かであるからこそ一千年の都として栄えたということになる。京都のイメージが少し変わった。