ネパール (Nepal)

 ネパールは、ご存知ヒマラヤ山脈とインドの間に位置する小さな国で、エベレスト(チョモランマ)を擁することで有名です。長年行って見たい国の最有力候補でしたが、なかなか機会がありませんでした。また、いろいろと政情が不安定で、このページを作成した2006年4月現在では、王政に反対するデモが頻発して政情が不安定になった結果、ようやく実権を議会に移行することが発表され、落ち着いてきたようです。とは言え、マオイストと呼ばれる共産主義のグループによる攻撃も頻発しています。

 私がこの国を訪れたのは、2005年11月に国際保全生物学会第1回アジア地区大会がカトマンズで開催されたからです。ネパールでの開催と聞き、即行くことを決断しました。(発表する内容はその後に考えました。いつもそんなものです。)この時期は、偶然にもマオイストが政府に対して一方的に停戦を宣言していたそうで、あとで紹介する南部の国立公園にも行きましたが、物々しい警備以外は不安定な要素は感じられませんでした。しかし、一方的停戦が明けた2006年1月から政府に対する攻撃が再開しているようです。とても美しい国で、豊かな自然にあふれているのですが、残念なことです。


ネパールについての基本情報は、こちらのネパール王国大使館へどうぞ。


ここでは、主に首都カトマンズを紹介します。

チトワン国立公園はこちら


 

nepa11  ネパールといえば、やっぱりヒマラヤ山脈ですね。しかし、通常のフライトでは、あまりヒマラヤ山脈に近づいてくれません。左の写真は、学会中にオプションで、ヒマラヤ山脈フライトに参加したときの写真です。ちょうど中心のとがった山がエベレストです。思っていたよりは近づいてくれず、残念でしたが、天気が素晴らしく本当に美しい山々でした。
nepal2  観光用のフライトなので、コクピットに入れてもらいました。真っ正面に見えているのがエベレストです。各地でテロが頻発してから乗客のコクピットへの立ち入りは厳禁になってしまいましたから、何だかドキドキしながら見せてもらいました。とは言え、小さな飛行機なので、コクピットの部分に上半身が入ったという程度です。私が連れていってもらったときは、ちょうど旋回していたので、正面の景色が変わっていき、良いタイミングでした。
airplane  こんな飛行機で行ってきました。これは早朝乗り込むときです。何でも、ヒマラヤを見るには、早朝が良いそうで、このときは確か朝7時ぐらいだったと思います。皆さん眠そうでしたが、こんな小さな飛行機で大丈夫かい?と目が覚めたようです。なんて言っても、飛行機会社の名前はブッダエアーでしたので、ちゃんと天国まで行けそうでした。
kathumandu from air  こちらは上空から見たカトマンズです。中央にうっすらと見えるのは、都市の中心にある緑道というか、細長い緑地です。カトマンズは、地形が盆地である上に、近年大気汚染が激しいそうで、都市はいつも靄の中にすっぽりと包まれているそうです。ヒマラヤ山脈は目と鼻の先なのですが、私が滞在した間に、ヒマラヤが見えたとは一度だけで、それも本当にうっすらとでした。上空の美しさとは好対照のほこりっぽく、排気ガス臭い都市でした。
hanuman

 ネパールの首都カトマンズは、標高1400mに位置するネパールでは最大の都市です。私は、今回はこのカトマンズと後で紹介する国立公園しか行っていないのですが、早くから文明が栄え、現在も多くの人口が集中するカトマンズはネパールの中でかなり特殊な場所のようです。カトマンズの中心部にいる限りにおいては、この国がアジア地域で最も貧しい国の一つとは想像できませんし、マオイストと国軍の衝突が頻発しているということも、思いもつきません。観光客も大変多く、中心部にはたくさんのブティックが建ち並び、平和そのものです。

 このカトマンズには、数多くの世界遺産があることでも知られています。最も有名なのが、市の南西部に位置するダルバール広場です。2006年の春には、NHKの探検ロマン世界遺産でも紹介されました。これは旧王宮の前にカーラ・バイラヴです。シバ神の化身だそうで、たくさんの生首を持っています。常に数多くの人々が花を手向けに来ていました。

durbar  ここはダルバール広場の中心部です。旧王宮の正面にあたります。このときは、朝早く学会に行く前に行ってきたのですが、朝からかなりの人でです。早朝には地元の人が多いようです。この広場の回りにはさくはありませんが、外国人だけ入場券が必要です。旧王宮内を見学しようとしたら、時間が早かったので、右のお寺の上でしばらく休んでいたのですが、時間が経つにつれて欧米人を中心とした観光客が多くなってきました。それにしても、常に人手ごったがえてしています。
palace  上の立ち位置から振り返るとこのように旧王宮の側面が見られます。この部分だけが、新古典主義で他は伝統的な様式です。なんともこのミスマッチがシュールです。旧王宮に入場すると、この建物の裏の中庭に入れるのですが、中でも片方は欧米風、もう片方はネパールの様式といった具合です。
palace2  こちらは旧王宮の中庭です。ここに入るにはまた別途お金がかかります。NHKの探検ロマン世界遺産でも紹介されていましたが、カトマンズの素晴らしい建築群の大きな問題は、老朽化とその修復です。このような観光としても中心的な役割を果たす施設でさえ、観光客から見えないようなところの屋根は、瓦がいたんで雨漏りするのだと思われますが、ブルーシートで覆われていたりしていました。修復中というわけではなさそうでした。政局の問題もあって、先進国の援助が受けにくいそうです。
indra  カトマンズ市内は、そぞろ歩きが楽しい街です。西欧風の新王宮前やバックパッカーが集まるタメル地域など、場所によってずいぶん雰囲気が違います。中心部からダルバール広場に向かう間にあるのが、インドラ・チョークです。狭い路地に延々と商店が並ぶのですが、朝と夜の時間帯には、閉まっている店の前に露店が出ます。朝も夜もすごい人ですが、ふらふらしているだけで楽しいです。これはお備え用の花を売っている露店です。黄色い花があちこちらお備えされています。バリに良く似ています。
spice  こちらはスパイス屋さんです。東南アジアと同じような感じですが、見ているだけで楽しいですね。しかし、スパイスや他の野菜なども、特に目新しいものはありませんでした。中国でも見られるようなものか、東南アジアでもよく見られるものでした。もっとも、ネパールは国土も狭いですし、国のかなりの部分が山岳地帯であることを考えると当たり前でしょう。野菜やスパイスなどは、もともと国外から入ってきたものが多いのだと思われます。昔は、チベットからの商人は数ヶ月をかけて、ネパールとの間を行き来したそうです。冬の間は山を越せませんので、先のダルバール広場にあった簡易宿泊所(今はお寺)に、季節を待つ商人がたくさん滞在していたそうです。
clothes  中でもこのお店が最もグット来ました。こんなディスプレイは見たことがありませんでした。マネキンが皆宙に浮いているので、並んで絞首刑を受けているようでもあります。でも、色とりどりの洋服がきれいで、なんとも不思議な光景でした。お店の雰囲気は、どちらかというと中東に近いようなところもあって、昔からいろいろな文化が行き来していたのだろうと思います。
green  さて、ごちゃごちゃした市街地から街の中心に出るとこんな大きな緑地が広がっています。ここはどうやら競馬場のようです。しかし、広大な緑地にも関わらず、立ち入り禁止のようで、ほとんど人がいません。道路際のフェンスはあちこちやぶられていて、夜にトイレ代わりに使われているようで、臭いことこの上ありませんでした。なんとも不思議な感じです。
park  庶民は、一つ北側の緑地にたくさんいました。こちらは立ち入りができるようですが、シバは剥げていて、良い状態ではありませんでした。しかし、人は多くて、なぜか寝ている人がたくさんいました(平日の午前中ですが)、トイレもあるのですが、壊れているようで、その周辺は見るも無残で、とんでもない臭いでした。
street  ここが街の中心部の通りで、この道を北上すると新王宮があります。通常空港から来ると、最初にここを通って、新王宮周辺にあるホテルに向かうことになります。左の写真ではほとんど見えませんが、この真ん中の像の下には、ライフル銃を持った軍人が常に2人ぐらいいて、政治の不安定さを印象づけられます。ここに限らず、政府関係の施設には、必ず機関銃などで装備した兵隊がいて、旧王宮では、切符売り場の横では土嚢が積まれていました。
kathumandu2  カトマンズという街は、中心部には緑も多く、歴史も有るために、興味深いところがたくさんあるのですが、いかんせん、排気ガス臭く、ほこりっぽく、そして騒音がひどいところでした。左の写真ではそれほどではありませんが、渋滞は慢性的のようで、東南アジアでもそうですが、クラクションが鳴りっぱなしです。元気なときはいいのですが、だんだん疲れてきます。数日もいると郊外に逃げ出して行きたくなります。何でみんなあんなにエネルギッシュなのでしょうね。
foods  最後に食事について。海外に行くたびに気になる食事なのですが、ネパールも大変食べ物がおいしい国でした。期待通りだったのですが、今回は直前にデジカメが壊れてしまっていたので、一眼レフしか持って行きませんでした。よって、暗いところであまり食べ物が撮れていません。左は、最もネパールで一般的な食事であるダルバート・タルカリです。ご飯にカレーや鳥肉、野菜などがついてきました。おかずの数が多いほどぜいたくだそうです。辛いですが、とてもおいしいく、日本人の口に合います。
tibet  こちらは最後の夜に奮発して食べたチベット料理です。ネパールにはチベットからの文化がかなり入ってきていて、中華に似た料理もたくさんあります。塔のような鍋は、ギャゴックと呼ばれる料理で、野菜や豆腐などがたくさん入っています。分かりにくいのですが、奥の方にはギョウザがあります。ネパールではモモといって、地元のファーストフードといったところで、下町では数十円でおなか一杯食べられるそうです。本当に蒸しギョウザです。日本のというよりは、中国のそのままです。このお店は期間中同行していた日本人の仲間と数ヶ月間カトマンズに滞在していたかたがたといったのですが、地球の歩き方に載っているようなお店でしたので、ネパールの物価から考えるととんでもなく高くて、一人1500円ぐらい払ったと思います。100円もあれば、十分にご飯が食べられる国なので、めちゃくちゃ高いですね。でも、初日にはなぜか韓国料理の店に行く羽目になって、そこでは一人2000円以上払ったような・・・。
foods2  これは、カトマンズで泊まっていたホテルで朝食の際にインド風と頼んだら出てきたカレーとナンをあげたようなものです。あげたようなほうは薄皮しかなく、中は空洞です。おいしいのですが、かなり油っこい。カレーはとんでもなく辛く、一気に目が覚めました。でも、おいしい。しかし、これからが地獄でした。この食事のせいかわかりませんが、この後急に腹痛に襲われ、この日だけで5〜6回ぐらいトイレに駆け込む羽目に。薬も全く効かず、次の日が移動日だったので、肝を冷やしました。
foods3  最後は、カトマンズと国立公園のあるチトワンを行き来したときに食べた昼食です。左のカップに入っているのは豆のスープで、ネパールではダルといいます。(あまりおいしくありませんが。)こういった外国人しか来ないところでは、ネパール風と欧風が混ざったものが出ます。今回の旅行で残念だったのは、基本的に学会の期間中にしかいなかったので、込みになっている食事が多くて、いわゆる現地の食事ができなかったことです。別に食べに行けば良かったのですが、どうも貧乏性で。
ichinose

 本当の最後に証拠写真を一枚。別に、ネパールまで行って遊んでいたわけではないのです。ちゃんと学会発表をしてきました。その時の発表を論文化したものも今度出版されます。とりあえず、言い訳ですが。

 

チトワン国立公園はこちらからどうぞ。

menuhome