そもそも政府がある産業の需要や供給を適切に判断できるはずはない。新規に
参入したいという企業があるということは、その産業の需要が伸びると予想さ
れるか、その企業が、今ある企業よりも効率的な供給ができることを意味して
いる。それを押えれば非効率な産業になってしまうのである。しかし、以上に
みてきたように、新規参入を阻んでいる要因として様々な法律などがあること
がわかった。今こそそれらを見直す、又は撤廃する時期にきている。そこで、
注意すべき点はある一定の役割を果たしてきたものもあれば、明らかに不必要
と思われるものもあるという点である。一つの法律の中にもそれらが混在して
いるので、その点の見極めが重要なのである。
また、新規参入が制度上可能になることは国民が規制緩和の成果を真に享受す
る契機となるのである。なぜなら、それを契機として、輸入製品との競合、規
制緩和による競争の促進を念頭においた企業努力により、既存の石油流通産業
が合理化・効率化するからである。
最後に平岩リポート(中間報告)より新規参入についてふれた箇所を抜粋して
この項を終りたいと思う。 「参入・設備等に関する規制については、既得権益
の保護や参入規制にならないよう、業者の資格・設備要件を規制する最小限の
規制とする。」