« オノマトペとコンテクストアウェアネス | メイン | 都市の構造に「衝撃を与える」 »

City MashUp

先日のシンポジウムにて、博報堂の田村さんと岩嵜さん・Open Aの馬場さん・関心空間の前田さん・Living Worldの西村さんとお話させていただいた。
インターナショナル・デザイン・シンポジウム 2009 Creative Synergy -デザインの相乗効果-

その時に、馬場さんが編集長をやっていた『A』のNo.8とNo.9でやった特集 東京計画2000 #1, #2での馬場さんの巻頭言をちょっと紹介した。
http://www.open-a.co.jp/avol1vol13/

(No.8 巻頭言より一部抜粋)

東京も日本も、そして建築も都市もずいぶん変わった。
僕らの世代はメガストラクチャーを東京湾につくることを、時代からは求められてはいない。求められているのは60年代のように、壮大な構想を描くことではなく、例えば、ささやかでも実効性のあること。

成長だけではなく、維持に対応できるもの。
リアルで等身大のスケールを持ったもの。
減ってゆく人口に対応したもの。
ヘビーではなくライトなもの…。

その動きは、東京のさまざまな場所で、さまざまなかたちで、既に始まっている。
現代の都市計画は、ちょっと前の概念では、とてもそう呼べないようなものも含まれる。
例えばそれは、ネットワークのなかで進められている。
小さな家具のなかにも潜んでいる。
かたちさえ、もたないかもしれない。

今までとまったく違う方法論や、クライアントや、メディアによる、現代には現代なりのやりかたの都市計画があるはずだ。

これらの行為やプロジェクトを編集することが、現代の都市計画なのではないか、そういう仮説から、この特集は始まった。

今まで、この言葉はいくつかの場所で紹介してきたが、ふと「City MashUp」とでも呼べるのではないかと思った。ヘビーでメガなシステムではなくて、既存のさまざまなスケールの要素を組み合わせてできあがるシステム。メインフレームのような都市計画とWebアプリケーションのような都市計画の違い。

シンポジウムの中では、馬場さんは
・デザイン領域を再定義すること
・すでにある都市を使うこと
・新しいサイトを探すこと
を自分のデザインの方法として説明。場所の価値を発見して、新たな要素と組み合わせ編集することで新たな価値を生み出す。MashUpもやや流行り終えた言葉かもしれないけれど、ソフトウェアの概念を実空間へと輸出するものとしてはCity CompilerやCity Debuggingの仲間としたい。

馬場さんをほめる→抽象化することで、これからのデザイナーのあり方?について話をした。このスタイルもアジャイル的+MashUp的だと言っていいだろう。

・デザイナ視点 * 編集者的視点
 ・デザイン=固定概念を崩す:その対象がひとつの領域に留まらない
 ・手段が目的となっていない:領域の枠組みも含めてデザイン

・ブリコラージュ的発見とデザイン
 ・新しい価値を見出す * 見出すきっかけを提供する
 ・アシストでも良い・ゴールするのは他のデザイナやユーザでも良い

・メディアがある/になっている + 届ける相手の想定
 ・いろんな人が活躍できる状況やプラットフォームを作っている?
 ・プラットフォームを作る + その中で自分も走る
 ・参与的観察者ならぬ参与的デザイナー?(調べて+作って+自分も使って+伝える)

・実践 * 実験: アジャイル的
 ・試行錯誤・ ムダ走りをいとわない
 ・走ってはセンタリングの繰り返し?

・やってみるエネルギーが素晴らしい
 ・オフサイドぎりぎりで裏を狙っている
 ・パスを引き出す感じも
 ・ビジネス × 儲からないこと(合理主義と非合理主義)のバランス

・肩肘張ってない
 ・不完全でもいい・反応をみつつバージョンアップ
 ・社長なのに威張ってない