経験のフィールド
昨日のXDのシンポジウムでは加藤文俊さん・藤田修平さんと「経験xフィールド」というお題で話した。
フィールドへ 出かけ、
フィールドで 動く、
フィールドを デザインする
という説明で、これまでの研究内容を話す。
フィールドへ出かけて:場所へ出かけて
フィールドで動く:実際に動く(実験をする+誰かに実際に使ってもらう)
フィールドをデザインする:多様なエクスペリエンスが折り重なるフィールド・場をデザインする
という説明の仕方でまとめた。
さらに、自分がフィールド・場をつくるだけじゃなくて、他の人がフィールド・場をつくるための道具やフィールド・場をつくる、という話も。
授業でも「場」についていろいろな表現での説明している。空間と場所の対比としてHouseとHomeの比較をしつつ「日常生活において「適切なふるまいの枠組み」を規定しているのは「空間」ではなく「場所」である」だとか、「空間がニュートラルな座標系であるのに対し、場所には意味と価値が貼り付いており、起伏とムラがある」だとか。
サッカーのフィールド・場で言うと、11人のエクスペリエンスの折り重なり方の枠組みが、監督の考えた戦術やシステムであり、選手からすれば自分達のサッカー、ということになる。
同じフィールドでもルールの違いや(オフサイドの有無だとか)モノの違い(ボールの個数や大きさ)でもプレー:適切なふるまいとしてのエクスペリエンスは変わってくる。
同じサイズのフィールドでも人数が違うとエクスペリエンスとそれらの折り重なり方は変わるし、フィールドのプロポーションやサイズを変えてもまた変わってくる。
そして、そうしたフィールドをデザインする自分のアプローチが、
リアル x デジタル
マルチスケール
で、と考えている。City CompilerやCity MashUpはそれらの具体的な方法という位置付けになるだろう。
都市やオフィスはリアルxデジタルでマルチスケールに綜合されたUnited Field ユナイテッドフィールドである、と言ってみる。
先のエントリーの「実践 * 実験: アジャイル的」というスタイルは、デザインしたフィールドの中でプレーして自分も経験しながら、フィールドのかたちを整えている:自分達のサッカーを修正している、とでも言えるだろうか。
アイデアキャンプもそのやり方で、フィールドへ出かけ・フィールドで動くフィールドをデザインしている。
写真は霞ヶ丘国立競技場。