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新幹線にて

WEDGEという雑誌を読む。

この雑誌に比嘉 昇さんという方が「子どもは変わる 大人も変わる」という連載をしておられる。

比嘉先生は、京都の木津川で夢街道・国際交流子ども館というフリースクールを運営していらっしゃるが、自分の小学校6年生の時の担任の先生でもある。

4月から転校生としてやってきた鶴舞小学校。阪急沿線に住んでいたのに近鉄ファンであった僕は、岡本太郎デザインのバファローズマーク+コシノジュンコデザインのカラーリングという近鉄バファローズの帽子をかぶっていただけで、すぐに受け入れてもらえたような気がする。

転校やクラス替えのタイミングなどで、小学校はトータルで7人の先生に教えてもらったけれど、その中でも一番アツい先生だった。印象的だったのは卒業式で、クラス全員にキャッチフレーズを付けてくれたこと(僕は「博学多識の豆紳士」でした(笑))。生徒ひとりひとりの個性を認めて付き合っていてくれたのだと思う。
そして、ひとりひとりに卒業記念に一冊ずつ本を手渡してくれた。僕には、菊池寛の「恩讐の彼方に」(岩波文庫版)だった。小学校を卒業した僕にとって、はじめて手にした岩波文庫でもあった。いまは青空文庫でも読める
いまでもなんであの頃の自分に「恩讐の彼方に」なのか分からない部分もあるけれど、比嘉先生が知る僕の中に潜む何かが、この小説の中にあるのだろうか。


今月号の記事のタイトルは「十人十色の個性 屈しているからこそ伸びる」。
WEDGEの好意で掲載誌のPDFが公開されている
http://www.yumekaido-kodomokan.org/keisai.php

教員として比嘉先生ほど熱くない自分ではあるが、教育の教育をされたことがない自分にとっては一番身近な先生の言葉かもしれない。