肯定側の仕事は、改革(=論題)を受け入れるよう主張することである。忘れてはならないのは、論題は現状のシステムの変革を求めているということだ。ディベートによる解決は、普通、多くの解釈の余地を残している。
というテーマでは、石炭の露天採鉱、石油輸入、原子力、太陽エネルギー、アラスカ・パイプラインなどが、可能な解釈として含まれるであろう。これらのテーマならば、どれでもディベートに適したテーマであろう。肯定側は、論題のどの立論を議論したいかを自分達で決めるが、これは
と呼ばれる。肯定側立論とは、ディベートの始めから終わりまで、肯定側によって展開する形勢(position)のことをいう。肯定側立論の枠組みには、変革、プラン、そのプランのメリット、の正当化が含まれ、また、多くの方法(第7章を見よ)によって構成される。この
という用語がときどき混乱するのは、ディベートでは、この”立論(case)”を基本的に2つの意味に分けることが出来るからである。それは、まず ~
であり、もう一つは ~
である。肯定側立論の構造の型とその責任と義務は第7章で詳しく議論する。
(訳者注:以上のように ”case”という単語は、日本語に訳すのが非常にむずかしい。よって、以下、誤解がない限りにおいて、上記の2つの意味を含めて case の訳語を
とします。ちなみに、松本道弘氏は
と訳していますが、
という訳語には、この意味も含まれていると理解してください。また、 Comparative Advantage Case を
と訳すように、ディベート全体に対して case という単語を用いているときには、その訳語を
とします。その他、単に「場合、状態」の意味で使われているのが明白なときには、そのように訳します。)
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