(訳注:以下
と表記)は、事実上現在とられている政策は基本的に存在し続ける(と仮定する)、という意味である。感覚的に言うならば、現政策を導いている価値観は存在し続けるだろうし、現在”真”であると受け止められているものはこれからも”真”であるとされ続けるであろう、ということだ。このことを鑑みた場合、常に変革を主張する肯定側は、
義務を負わされることになる。通常、プリザンプションが否定側に有利に働くのは、否定側はふつう、現状は充分適切であり大きな変革の必要性はないと主張すれば良いからである。プリザンプションの例はアメリカの裁判制度に見いだすことが出来る。そこでは、有罪だと立証されるまで被告人は無罪であると仮定、推定される。
かつて、特定人種学校(人種差別をしている学校)が合法であったことがあったが、当時、それが現状だったわけである。現状のシステムはうまく機能していると多くの人々が考え、仮定・推定していた。しかし、価値観、状況、政治の変化によって、変革しようという空気が生まれ、当時の”現状のシステム”は問題にされ、ディベートされた。その後、アメリカ連邦裁判所は人種差別は憲法違反であると判決を下し、その撤廃の命令が下された。価値観、状況、政治は今、調和実施計画の空気を作り上げている。それらの変化によって、現在、ある調和の時期を迎え、調和を推進し拡大するための資金と計画ができつつある。
ディベートでは、肯定側は、現状を変革する理由は存在することを立証しなければならない。その立証が不十分な時には、否定側がディベートに勝利する。
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