とは、”額面どうりに”とか”一見したところ”という意味のフランス語である。ディベートで肯定側は、一見したところ完全に明白な ( complete ”at first sight”) 立論を提示しなければならない。なぜならば、「肯定側がプライマ・フェーシーな立論(反論されるまでは、正しいと推定される議論)を示すことによってのみ、プリザンプションを克服することが出来、そして立証責任を果たすことが出来る」という仮定のもとでディベートは行われるからだ。よって肯定側は、正当化を行い、プランを描き、メリットを列挙する以上のことをしなければならないし、量的にも質的にも、変革の必要性を説くための充分なエヴィデンスを揃え分析を行って立論しなければならない。ジャッジの人たちが好意的な決定を下そうと強く思うように、立論は形作られなければならないとも言えよう。立論が他に並ぶものがないほど強ければ、否定側によって弱められることも拒絶させられることもない。
プライマ・フェーシーな立論は論題から直に得られるものであり、論題を受け入れる十分かつ充分な理由を与えてくれる。ディベートでは、プライマ・フェーシーな立論は、反駁されることなしに論題をサポートするために要求される、最低限の主張である。肯定側はプライマ・フェーシーな立論を確立しない限り、ディベートには勝てない。技術的な問題として、もしも肯定側がプライマ・フェーシーな立論を確立しなければ、否定側は肯定側の議論に答える必要がないのだ。しかし、大抵の否定側は、普通の人にはプライマ・フェーシーな立論と映る主張にも反駁を加えるだろう。肯定側がプライマ・フェーシーな立論を発展させるために取り組む特殊なアプローチは、第7章で発展的に学ぶ。
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