これまで、どのようなエヴィデンスを、どうやって見つけ出すかということについて述べてきた。今度は、それをどう扱うか、これが問題である。
まず第一に、記事や本の切り抜きのどの部分を使うか、正確に決めなければならない。それは当然、自分の議論を支持するエヴィデンスであるべきである。
第二に、その切り抜きや引用は、長さ・形式は使える形にして記録する必要がある。
第三に、質問の細部にわたって答えることが出来るように、記録しておくべきである。最後には、
として参照されるものとなる。
-Preparing Evidence Cards-
エヴィデンス・カード製作の第一段階は、コピーした資料から分離したり、印をつけたりすることである。資料をコピーするとき、著者の意図が正確に反映されるように資料を切り抜かなければならない。そしてその情報は、あとで使いやすいようにファイルに納めておかなでればならない。情報は、18センチから20センチのサイズにまとめておくことを薦める。これによって、チームの仲間が読み易くなるし、手書きで書くこともできる。
カードは、情報源の引用文を使って、分かるようにラベル分けしておくべきであり、目録に載ったすべてを参照したいときは、ブロック体でカードに書くべきである。ジャッジや対戦相手のためにも、あとで参照するためにも、その情報源とページ数は正確に書き留めておくのが特に重要である。上手に引用すれば、そのインパクトを失うことはないし、もし、相手が引用した資料がどこにあるのかと指摘したときにも、役立つ。また、著者の肩書きはカードに記載しておくべきであり、ファイルした索引番号をカードの隅に書いておくべきである。
索引カードには、エヴィデンスの一ヶ所だけを載せておけばよい。一枚のカードに2つの引用がされていると、あとになって多大な混乱の原因となる。せっかく見つけたエヴィデンスが見つけ難くなるし、ファイルするのも難しくなるのだ。では、ここで、2枚の典型的なエヴィデンス・カードを紹介する。
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エヴィデンスを記録するとき、単語を消去してしまうのは賢明なことではないが、不必要な言葉を省略する場合は、その省略を省略記号(・・・)を使ってはっきりと示しておくべきである。形容詞、副詞などの限定語や”でない”というような言葉は不必要な言葉とは考えられまい。強く示唆されることであるが、可能なときはいつでも省略は避けるべきだと言われる。しかしながら、不必要だと考えられることが、他人にとって不可欠であることもあり得る。今や、全国公式討論大会では、原典あるいは原典のコピーをそのチームが持っていない場合は別として、自分なりの省略は用いないように求められており、エヴィデンスが原典に即したものかは、いつも必ずチェックしなければならない。「それは」「彼が」「その法律」「その計画」といった参照はどれも、何から引用されているかを示すべきである。次に示すエヴィデンスのように、きちんとメモるように努めてもらいたい。:
”(ラックルショールズ)”という言葉がないと、その引用は不完全であると考えなくてはならない。引用した”彼”という人間を思い出すとき、記憶に頼ることは出来ない。なぜなら、一つではなくかなり多くのエヴィデンスを記録しているのだから、そのことを忘れてはならない。また、省略は避けられるべきではあるが、読む必要のない言葉に”( )”をつけておくのは大いに役立つ。括弧を付けた資料は、時に、その引用を混乱させ、不必要に長くし、最もよく消去される。しかし、このような全文引用は、その原典をチェックしたがっている人たちにとって、依然として通用するのである。
学生は、エヴィデンスを記録したり、リサーチ・カードよりはちょっとしたメモ(briefs)にエヴィデンスを書き留めたいと思うときなどは、ワープロが本当に役立つことを知っている。ちょっとしたメモは、アイデアを発展させたり、議論の概略を書き留めておくものであって、エヴィデンスや論理的な推論は、それぞれのアイデアの切れ端(subpoint)から得られるものである。これは、肯定側、否定側双方にあてはまるといえる。
だが、簡単なメモはたった一つの論点の発展に限定すべきである。ディベーターがいくつかの情報源からエヴィデンスを作ったり、必見に値するメモに書き直したりするのに、ワープロはたいへん重宝するから、書き込みすぎないようにしなければならない。
-Questions for discussion-
-Activities-