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September 28, 2006
sep sep
指を伸ばすように
切り開かれた雲先
振り払ってしまった切り札と
飾り用もない答え
装ってみた偶然の
その意図さえも気付けば動かされている
揺さぶりのない世界の沈むころ
影が闇に消される前、伸ばせるだけ伸びて
空に浮かぶ粒、きれいだな
そんな思いも言葉もありきたりだな
離れることなんて出来ない
還りたい行き先なんてないはずなのに
今はもうないはずの
笑い声が乱反射している路地裏
誰かにだけ見えるその姿なのか
誰かにだけ見えないその意味なのか
ここまで来たのに
足元がやけにまぶしい
September 26, 2006
西口公園
あの頃何度も聞いた歌が
うるさく響く駅前レンタルショップ
結局憧れたものを全て忘れて大人になった私たちに
「叶わない夢はない」?
届く言葉は何もない
君は今も西口で
踊り続けているの
朝を待てず公園で
終わらない夢見てるの
それでも憧れたものを捨てずに生きてく
それが幸せに繋がるわけじゃない
だけど誰かはまた走る
明日は今も輝いて
誰かを待っているの
夜の続くあの空で
変わらない夢見てるの
September 23, 2006
最後の一緒。
常識では1970年代に先進国では近代化や産業化が達成されてしまって、
それ以降は共通の目的(物語?)がなくなったがゆえに、
社会の細分化(島宇宙化?)が進んだといわれているよね。
でも、日本に焦点をあててみたとき、
昭和の終わりごろ、平成のはじめにかけて、
共通の喪失体験みたいなものがあったんじゃないか。
つまり、他の先進諸国と違って
オイルショック以後も経済成長が続いて、
人びとの感覚じゃ1992年くらいまで「バブル」だったといわれている。
それに、60年以上も続いて、ひどい戦いが続いた、
昭和っていう時代の終わりが彩りを添えて。
しかも「昔あったはずなのに、なくなった」と
否定的な形で発見されることが常の過去と違って、
今まさになくなっていく、という現在形の感覚があったんじゃないか。
なーんて、
そんな小説(でもない)を読みました。TOUR1989。
B級です。
September 21, 2006
10 Sep
駅の向こうへ
放物線が沈む
温度を緩めた街は
もう夜を急がない
彼方で横切る
プリズムの連なり
君にも繋がったかな
はにかんだ
九月十日
午後三時前
この街の一番高いビルで
明日が覗けそうな場所で
闇の向こうで
西風たちが光る
影には四角い空が
優しい雑踏
足音が紡いだ
交差点のメロディー
二人して
つないでいた
夢を放せる
電線が集まる街の隅が
とても似合う気がしていた
はにかもう
九月十日
午後六時頃
この街で一番高いビルで
世界は見渡せない場所で
September 16, 2006
9月16日
sfcのサーバー不安定!
とか文句言っていたのですが、sfc clipによると
どうやらスパム対策をしていないブログのせいだったようです。
ごめんなさい、特に何もしていません。
実は自分に遠回りに文句を言っていたんですね。
そう書くと、責任転嫁も、自己批判の精神を持った素敵な志に聞こえます。
面倒なのでここ数日はmixiで書いてます。
mixiはずーっと本名で登録してあります。
これからはどうしようかなあ。
秋学期の時間割を見る。
最終学期。
1年生の春学期にとった科目と同名科目を取ろうかな、とか
そういうロマンに走ろうか迷ってしまいます。
September 09, 2006
読書メモメモ。
最近読んだ本●●●
●封印作品の謎2
おばけのQ太郎と、キャンディーキャンディー。
国内での発行が出来なくなっているなんて知らなかった。
前者は共作だったため権利関係が複雑になって(らしい)、
後者は原作者と漫画家の間でのトラブルで。
第一弾に続いて面白くて一気に読んでしまう。
作者の個人的な感想とか、癖とか(ストレスがたまると前髪をむしってしまう)
もと新聞記者とは思えない箇所が多い本なんだけど(まあサンケーだからか)
それが逆に推理小説みたいで、青臭いんだけど、面白い。
●月が100回沈めば
月が100回沈めば、月は地球から1cm離れる計算になるそうです。
そんな薀蓄がやけに多い、渋谷の高校生たちの話。
勉強して書かれた若者という気がします。作者も年だと大変です。
●終末の海
地球が終わってしまったあとの話。
まあそれはただの舞台で、おはなしはSFミステリー。
漫画のほうが良いようなチープなネタ。
●奴隷になったイギリス人の物語
近世の白人奴隷の話。
一人にライトをあてているから読みやすかった。
そのぶん、どこまでが創作で、どこからが考証が出来ているかはわかんないけど。
奴隷っていうと黒人奴隷ばかり思い浮かべてしまうけど、
まだ海が危なかった17世紀だとかには、
海賊に連れ去られ、イスラム圏で奴隷になった白人も相当数いたみたい。
●プロセス・アイ
同じネタで、でもレトリックを変えて一般向けの学術書を大量に書いていた
茂木健一郎がついに小説まで書き始める。
もともと多くの人が好きそうな文章を書くのがうまい人だし、違和感はない。
でもテレビにも出て、本もコンスタントに出して、イベントにもたくさん出て、
この人、クオリアの研究とかはいつやっているんでしょうか。
●まだ見ぬ冬の悲しみも
SF短編集。とっつきやすくて面白かった。
面白かった本ほど感想が思い浮かびにくい。
これを読んでも、あんまり読みたくはならないけど。
September 08, 2006
働かざる者、食うべからず
働かざる者、食うべからず。
改めて考えるとすごい言葉だよね。
「ざる」は否定、「べからず」はmustn't、should't、can't。
つまりわかりやすく言い直すと、
働かない者は、食べてはいけない(死ね)、もしくは
働かない者は、食べるべきではない(死ぬべきだ)。
小学生も、老人も、病人も、ニートも死んでしまえ!
という意味にもなりうる。すごいな。
(それとも摂取とかならいいんでしょうか)
この言葉、出典は聖書のパウロの言葉と言われている。
(広まったのはそれをレーニンが引用してから)
しかし聖書では「働きたくない者は、食べることもしてならない」。
翻訳の問題なのかも知れないけれど、
「働きたくない者」と「働かない者」は全然違う。
「働かない者」には「働けない者」も含まれるから。
しかも、聖書でのこのフレーズは
「キリスト再降臨の日も近いんだら、遊んでればいいじゃーん」
といった人びとへの戒めの言葉。
わかりやすいフレーズは、文脈から飛び出して
色々と広まってゆくけれども、そして気軽に使ってしまう。
でも、言葉を使うってことは、その言葉が辿ってきた歴史だとか、
背景に隠れている意味だとかを継承するってことであると同時に、
同じ背景を共有しない者同士の意思疎通の手段でもあるから、
実は自分がとんでもないことを言っていたりすることもある。
とか、言っていたら何も言えなくなってしまうけど、
................
(↑何も言えなくなった)
September 07, 2006
ギャフン
成績表が届く。
オスロ大学じゃ6段階(a-f)で、うちの大学じゃ4段階(a-d)なんだけど、
向こうで取ったBが、そのままBという評価になっていた。
向こうじゃAなんてほとんどくれないし、
こっちじゃAは20-30%に与えられるんだから、
どう考えてもBではなくAが妥当だと思うのだけど。
(しかも去年の前例を聞いてもBはAになっている)
これは文句を言わなくちゃということで、色々と資料集め。
どうやって文句を言おうとか、そういうこと考えるのは楽しい。
誰かのプレゼント探しが楽しいのと同じ感覚かな。
誰かを計画的に喜ばせることも好きだけど、
それと同じくらいギャフンと言わせることも好き。
(他人は喜ぶことに関してはフリでもしてくれるから意外と簡単なんだけど、
ギャフンとはなかなかしてくれないから難易度は高いんだけれどもね)
そんな夢ある9月の第一週です。
September 05, 2006
アキ
ちょっと道に迷うともう、何が欲しいだとか、どこが心地いいだとか、
そういう基本的なことさえもわからなくなってくる。
好きなものや場所は、ちょっとだけ過去を思い出せばよみがえって、
しかもそこに行く道筋やヒントさえも、
昔読んだ本や出会った人が教えてくれていたのに。
どうして簡単にものごとを忘れて、
出来事はこぼれてゆくんだろう。
残ったものは、必ずしも大切なものじゃない。
残したわけじゃなくて、たまたま残ってしまっただけかも知れない。
もちろん、それだけでもある程度までは戦えるだろうけど、
せっかくの過去なんだから、もうちょっと振り返ってもいいかな。
これも忘れていたのだけど、そういえばもう秋らしい
(TVの中の人が秋モノ着てるから)。
ということもこんな感傷も、季節のせいでしょうか。
*
IKEAで選んだ窓枠は
なぜか鳥籠に似てしまった
逃げ出すのことのない私たちに
檻は必要がないはずなのに
風がたどり着く国に暮らす人々
祈る歌声響く岬では今日も誰か逝く
行き先は
あたたかい場所と
空のない
世界でつぶやいた
どんな場所が
残されているか知らずに
September 03, 2006
世界で一番高い山
ちょっと探せば世界には楽しげなことが溢れている。
○昨日寝る前に見つけた楽しいこと
中ノ鳥島
ウィキペディアさんだけしか見てないので詳しいことはわからないのだけど、
30年以上も地図に載り続けた幻の島らしい。
○昨日電車の中で読んでいた本に書いてあったこと
世界で一番高い山はエベレストではない。
詭弁なんだけど、海底から計測すると、
標高では4205メートルのマウナケアが9600メートルとなり、地球一になるらしい。
まあ、それだけ。
知的好奇心を満たすにはお金がかからなくていいですよね。
お金もなかなか生みはしないけど。
September 01, 2006
はしご
誰から何を聞かれても、中身のない曖昧な内容を繰り返せるってすごい。
次の首相が出来レースに出馬表明するにあたって
ニュース番組をはしごしている。
小泉くんは副詞に力を込めることで有名だったけど(「断固として」「決然と」)
今度の人は不思議な形容詞と名詞を穏やかに重ねていく。
「美しい日本」「イノヴェーション」「21世紀にふさわしい」「主張する外交」「凛とした」
一つも具体的にイメージできないのだけど、
こんなことを真顔で言われて苦笑しないキャスターの方も尊敬してしまう。