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2016年03月 アーカイブ

2016年03月17日

“Changing Youth in Contemporary Japan”(3月7日)

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(左:ガウディがデザインしたグエル公園、右:バルセロナ自治大学のキャンパス)

 某財団での講演、阿川先生の退職謝恩会、オーラル・ヒストリーの集いと慌ただしく過ごしたあと、スペインに飛び、3カ所で講演をさせていただく機会を得ました。
 最初の会場はバルセロナ自治大学翻訳・通訳学部(la Facultat de Traducció i Interpretació, Universidad Autónoma de Barcelona)。なんとこの学部に東アジア学科があり、日本研究が盛んに行われているとのことで呼んでいただきました。
 
 この日は“Changing Youth in Contemporary Japan: After 5 years from the Great Earthquake”と題して、震災後5年間における、日本政治と学生の関係について、政治チャネルと非政治チャネルからお話しさせて頂きました。小さな教室に80人ほどの学生さんが(なんと、着物をお召しになったスペインの学生さんも!)。
 この内容は、今学期を台湾で過ごすなかで見出したもので、政治に深くコミットしていく台湾の学生と、政治とは距離を取りつつも目の前にある課題に政策チャネルから取り組んでいく日本の学生を対比して論じたものです。

 これまで、SFCをはじめとする、身近な学生たちの活動について話すことには妙な迷いがありました。それが、台湾での経験を通じて、これは伝えるべき、発信すべきことなのではないかと思えるようになりました。
 学術的にどこまで詰まっているかと言われるとまだまだ改善の余地がありますが、近々、活字にしていきたいと思っています(スペイン語になることは確定したようです!)。
 


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 スペインと言えば、生ハムですよね。コクを共感できる国の食事はすばらしい!!
 

2016年03月19日

"Evolución de la opinión pública japonesa en cuestiones de seguridad"(3月9日)

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(左:マドリードの中心地マヨール広場、右:マドリード自治大学の講演会場)

 バルセロナ自治大学での講演のあと、高速鉄道AVEで首都マドリードへ向かいました。次の会場はマドリード自治大学哲文学科。やはり日本研究が盛んなところです。

 この日は、大阪大学の星野副学長、慶應の阿川先生とご一緒しての講演。星野先生は安全保障法制の全体像を、阿川先生は日米同盟と日中関係の視点からお話をされました。私は、安全保障法制に対する日本の世論を、学生の反応を中心に報告させていただきました。
 中規模の教室でしたが、100名近い学生さんが集ってくださいました。日本から研究者が来て話すことはなかなかないそうで、多くの質疑を頂きました。私にとっては、なにより同校で教鞭を執る旧友との3年ぶりの再会がうれしいことでした。

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 マドリードでは、珍味「亀の手」をいただきました。スペイン語ではPercebesといい、日本では四国で採れるそうです。フジツボのように岩に張り付いているものの、甲殻類。なんとも奇妙ですが、お酒のつまみとしては絶品でした。亀の手を借りて、次のカンファレンスもうまくいくといいのですが。
 

2016年03月21日

“Politics and Youth in Modern Japan”(3月10日)

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(左:世界遺産に登録されたサン・パウ病院、右:会場となったCIDOB本部)

 マドリードから戻り、再びバルセロナへ。講演旅行の最後はCIDOB(バルセロナ国際問題研究所)でのセミナー"Retos de la política internacional de Japón en Asia-Pacífico(アジア太平洋における日本の国際戦略が抱える課題)"。CIDOBのディレクターであるJordi先生、Oriol先生、Sean先生、バルセロナ自治大学のBlai先生、Artur先生、Lopez先生、ベルリン自由大学のCoreyさん、京都大学(LSEに留学中)の奈良岡さん、阿川先生と報告が目白押しです。

 午前中のセッションで、阿川先生の安保法制と東アジア、奈良岡さんの第一次世界大戦と日中関係に続いて、震災後の日本の政治と学生についてお話しさせて頂きました。16世紀に教会として建てられたという本部ホールでの講演は、大学での講演とはまた違った心持ちにさせてくれました。

 この1週間、政府関係者ではなく、日本研究者や日本に関心のある学生さんに対して講演を続けてきましたが、その中で強く感じたのは、イメージによる支配が、とりわけ安全保障をめぐる問題については大きいことでした。アメリカで感じたこととは異なる、EU圏から見たアジア圏の国際関係の捉え方が何となく掴めてきたように思います。

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 バルセロナといえば、パンコントマテ。メールアドレスでも「.cat」と自治強化の動きを示唆するカタルーニャ。2014年のスコットランド、2015年の台湾、2016年のスペインと回らせていただいたことで、国民と国家について、思いを新たにすることができました。パンコントマテの味がさまざまなように、人も国も。
 

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