井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

探究型学習のためのパターン・ランゲージの制作(ブレスト→パターンの種)

今日は、探究型学習をファシリテートするためのパターン・ランゲージをつくるため、東京コミュニティスクールの市川力先生にインタビューをし、実践知の抽出・記述を行った。朝10時半から夜10時半までの計12時間の充実のコラボレーションとなった。

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探究型学習のミッションをどのようにつくるのか、アクティビティはどのようにデザインするのか、子どもたち同士のコミュニケーションの連鎖をどのように誘発するのかなど、市川さんのコツと考え方についての語りを引き出していく。それが、僕の役目だ。

特に、パターン・ランゲージとしてまとめることを想定して、語られたコツ(Solution)が、どのような問題(Problem)を解決しようとして行なっていることなのかや、どのような状況(Context)で使われるものなのか、について聞き出していく。ここが、パターン・ランゲージをつくるためのインタビューの重要なポイントである。

実例やキーワードが出れば、それもホワイトボードに書いていく。さらに、僕もただ聞き手をしているのではなく、「これはこういう意味ですか?」とか「これとこれは関係していますね」というように、自分の気づきや考えをどんどん話す。それに市川さんが反応することで、さらに語りが引き出される。その結果、市川さん自身がこれまで意識しなかった暗黙的な意味・前提や、隠れた関係性・構造などが見えてくるようになる。

そして、一通りコツと考え方の抽出・記述ができたら(ここまでで開始から7時間)、次はパターン・ランゲージの形式に当てはめながら、内容を詳細に詰めていった(これには5時間かかった)。

記述された要素を振り返りながら、その要素はどのようなProblemのSolutionに関係するものか、を考えていく。具体的には、それぞれの要素が、Context、Problem、Forces、Solution、Actions、Consequences のどれに当たるのかを考え、必要であれば書き方を変え、また、足りない要素については補足していく。このような作業をすべての要素に対して行なっていく。

その結果、今日は最終的には、14個のパターンにまとまった。それに、パターンの自然な順番を考え、番号をつける。これでとりあえず今日の作業は終了。この段階では、実は、パターンが15個ではなく14個でキリが悪いことと、一部のパターンの順番がイマイチだという違和感があった。

その違和感は、この後の夕食の席で解決した。前者については、一番最初に導入パターン(No.0)を設けることにした(学習パターンのNo.0の機能と同様)。後者については、パターンの関係性を再考することで、新しいレイヤー構造を考えついた。これにより、パターンの順番と全体像がすっきりまとまった。

このようにして、12時間におよぶ充実のコラボレーションとなった。次の作業は、今日得られた「パターンの種」を育て、文章によるパターン記述に落とし込んでいくというものだ。今日の記憶がフレッシュなうちにやりたいと思っている。
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