いよいよ、僕らの新しい本『社会システム理論』が書店に並び始めます!
いよいよ、僕らの新しい本が書店に並び始めます!
『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法 (リアリティ・プラス)』
井庭崇 編著, 宮台真司, 熊坂賢次, 公文俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年11月
この本は、「現代社会を捉え、変化を起こす」ための考え方と方法について、上の世代の社会学者、宮台真司さん、熊坂賢次さん、公文俊平さんとともに語り合った本です。対談がベースになっているので、かなり読みやすく、かつ刺激的な内容になっていると思います。ぜひ、書店等で見てみてください!
実は、この本のタイトルにある「リアリティ・プラス」(Reality+)というのは、僕がこの本から始める対談本シリーズの名前です。いまのリアリティに何らかのプラスをするという意味で、ロゴも自分でデザインしました(装丁に描かれているシンプルなロゴです)。
シリーズ第一弾のテーマは、「社会システム理論」です。ニクラス・ルーマンの社会システム理論を解説した序章を書き下ろしました。もっともわかりやすいルーマン理論入門を目指したつもりです。
対談では、社会システム理論のことはもちろんのこと、それ以外にも、いまの日本が抱える問題や、それを解決するためにはどうしたらよいのか、社会のリアリティをつかむための新しい方法とは何か、そして、社会はどのように変化していくのか、などが語られています。パターン・ランゲージや創造システム理論の話も熱く語っています。
以下では、本書の魅力を少しでもイメージしてもらえるように、本書の意図と、『リアリティ・プラス』シリーズの目指すところについて、プロローグから一部抜粋して紹介したいと思います。
■「閉塞感と変革の手応え」より
■「新しいリアリティを捉える、新しいリアリティをつくる」より
■「全体性を捉えるという不可能に挑戦する———社会システム理論をめぐって」より
■「本書の構成と概要」より
本書の目次は以下のようになります。
ぜひ、読んでみてください!
そして、感想、つぶやき等、お待ちしています!
(^_^)/
出版社ホームページ
慶應義塾大学出版会『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法 (リアリティ・プラス)』
Amazon.co.jp
『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法 (リアリティ・プラス)』
井庭崇 編著, 宮台真司, 熊坂賢次, 公文俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年11月
『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法 (リアリティ・プラス)』
井庭崇 編著, 宮台真司, 熊坂賢次, 公文俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年11月
この本は、「現代社会を捉え、変化を起こす」ための考え方と方法について、上の世代の社会学者、宮台真司さん、熊坂賢次さん、公文俊平さんとともに語り合った本です。対談がベースになっているので、かなり読みやすく、かつ刺激的な内容になっていると思います。ぜひ、書店等で見てみてください!
実は、この本のタイトルにある「リアリティ・プラス」(Reality+)というのは、僕がこの本から始める対談本シリーズの名前です。いまのリアリティに何らかのプラスをするという意味で、ロゴも自分でデザインしました(装丁に描かれているシンプルなロゴです)。
シリーズ第一弾のテーマは、「社会システム理論」です。ニクラス・ルーマンの社会システム理論を解説した序章を書き下ろしました。もっともわかりやすいルーマン理論入門を目指したつもりです。
対談では、社会システム理論のことはもちろんのこと、それ以外にも、いまの日本が抱える問題や、それを解決するためにはどうしたらよいのか、社会のリアリティをつかむための新しい方法とは何か、そして、社会はどのように変化していくのか、などが語られています。パターン・ランゲージや創造システム理論の話も熱く語っています。
以下では、本書の魅力を少しでもイメージしてもらえるように、本書の意図と、『リアリティ・プラス』シリーズの目指すところについて、プロローグから一部抜粋して紹介したいと思います。
■「閉塞感と変革の手応え」より
社会全体の「閉塞感」と、各人の「変革の手応え」——— これらは、いまだ交わらないまま併存している。ミクロ的にみればあちこちで引き起こされている変革も、なかなかマクロ的な社会の変化には至っていない。あちこちで生まれている光たちが、不透明な巨大な暗闇のなかに吸い込まれている。そのような時代に私たちは生きている。
このような時代において、ふだん研究・教育に従事している私にできることはないか。そう考えた時に本書の構想が始まった。不透明な社会を捉え、変化を引き起こし、それを大きなムーブメントに成長させていく。そのための知と方法について、アカデミックな見地からの提案をする。
新しいリアリティを捉え、新しいリアリティをつくる。それはどのように行えばよいのか。最先端の知と方法を学び、それによって自ら考える時間をつくる。本書は、そのためにある。
■「新しいリアリティを捉える、新しいリアリティをつくる」より
「リアリティ」という言葉には、大きく分けて二つの意味がある。ひとつには、描写に「リアリティがある」と言うように、物事の認識や物語が嘘っぽくはなく、本当のことであると思われるという意味である。
そして「リアリティ」という言葉のもうひとつの意味は、人間の感覚とは無関係に存在する客観的な物事について指し示すものである。この場合には、「現実」や「実在」という日本語があてられる。
リアリティというものは、主観と客観という二分法によっては適切に捉えることができない何かであるということである。それゆえ、私たちは「リアリティ」について考えるとき、どちらか一方の側だけを考えるのではなく、その両面を常に意識しながら、向き合っていかなければならないということになる。
このような背景を踏まえたうえで、本書から始まるシリーズを、「リアリティ・プラス」(Reality+)と名付けた。「プラス」は何かを加えるという意味であるが、「リアリティ」の方には先の二重の意味を込めてある。第一に、読者のみなさんがもっている物事の見方のレパートリーに、新しい要素 ——— アカデミックな分野での最先端の知と方法 ——— を加えることで、それまで抱いていたものとは異なる現実感(リアリティ)を得ることを支援したい。第二に、本書で提示される知と方法を踏まえた仕組みや道具、制度、組織をつくることで、現実(リアリティ)を変える力をもつことを支援したい。このような思いが、「リアリティ・プラス」という名称に込められている。
シリーズ第一弾のテーマは、「社会システム理論」である。これは、複雑な社会の全体性をまるごと捉えようとする野心的な社会学理論である。しかも、「コミュニケーションの連鎖」によって社会秩序がいかにして形成されるのかを明らかにしようとしているため、私たちの目的に適った理論だということができる。この社会システム理論によって、現代社会のリアリティはどのように捉えることができるのだろうか?本書は、そのような問いに対する答えを探求する思索の書である。本書で展開される議論から刺激を受け、読者自身が自らの抱く/関わるリアリティに何かをプラスできることを願っている。
■「全体性を捉えるという不可能に挑戦する———社会システム理論をめぐって」より
本書は、システム理論家・方法論者である井庭 崇(一九七四年生まれ)が、上の世代の社会学者とともに、新しい社会のリアリティの捉え方を模索するひとつの試みである。上の世代の社会学者とは、具体的には一まわり上の宮台真司氏(一九五九年生まれ)、二まわり上の熊坂賢次氏(一九四七年生まれ)、三まわり上の公文俊平氏(一九三五年生まれ)の三人である。この三人はいずれも、理論的な土台を「社会システム理論」に置きながら、現代社会を鋭く斬る論客である。
■「本書の構成と概要」より
本書は、プロローグとエピローグに挟まれるかたちで、序章と三つの対談章で構成されている。序章は、社会システム理論に関する概説である。そして、それに続く対談章には、宮台氏、熊坂氏、公文氏との対談が収録されている。対談はお互い独立しているため、どの章から読んでも構わないが、特にこだわりがなければ、前から順番に読んでいくことをおすすめしたい。前から読んでいくと、章が進むごとに時代的な広がりが増すようになっている。
本書の目次は以下のようになります。
プロローグ(井庭 崇)
■ 閉塞感と変革の手応え
■ 新しいリアリティを捉える、新しいリアリティをつくる
■ 全体性を捉えるという不可能に挑戦する ——— 社会システム理論をめぐって
■ 本書の構成と概要
序章 社会をシステムとして捉える―社会システム理論入門 (井庭 崇)
■ 物事を捉えるフレームワークの進化
■ ルーマンの社会システム理論の全体像
■ 社会の構成要素はコミュニケーションである
■ コミュニケーションは相互調整的に創発する出来事である
■ コミュニケーションの連鎖としての社会システム
■ コミュニケーションの連鎖を支えるコミュニケーション・メディア
■ 近代社会は自律的な諸機能システムからなる
■ 人間は社会の構成要素ではない
第1章 社会を変える知と方法 (宮台真司 × 井庭 崇 + 司会:西田亮介)
■ 実は二人とも映画監督になりたかった
■ ルーマンの社会システム理論の魅力
■ ルーマンの社会システム理論の背景
■ ルーマンの社会システム理論は発見ツールである
■ つくりながら考える
■ 「全体性」を志向する「知識人」
■ 中間層の重要性
■ 新しい教育
■ 現代日本の難点
■ 新しいプラットフォームによる包摂
■ 日本が目指すべきは、アメリカ型かヨーロッパ型か
■ かつて教育の成功を支えた日本的前提は、すでに崩れている
■ これから求められる専門とは何か――「新しい知識人」と方法のイノベーション
■ 社会システム理論で「複数の団子に串を通す」
■ 新しい知識人の行動原理と、新しい学問の創造
第2章 新しい時代のリアリティ (熊坂賢次 × 井庭 崇)
■ 新しい学部と新しい方法
■ 原発からコカコーラまで――現場志向の社会学
■ 新しい調査方法をつくる――多義性を引き受ける調査票
■ 新しい解析方法をつくる:柔らかい構造化
■ 現場からの出発と、手元からの出発
■ パーソンズとルーマンの差異?
■ 集合的な世界認識――コレクティブ・パーセプション
■ 新しいネットワーク・メディアの力
■ ルーマンの社会システム理論の魅力
■ 創造なコラボレーションとしてのサッカー
■ 創造的なプロセスでは何が起きているのか?
■ 創造とは何か?――創造システム理論の試み
■ 創造を支えるメディアをつくる
■ 新しいリアリティをつくる ―― 自然と人間のコラボレーション
第3章 情報社会のゆくえ (公文俊平 × 井庭崇)
■ 「戦前生まれ」の社会学者の歩み
■ 独自の社会システム理論構築への道
■ 情報社会のはじまり
■ 情報社会における創造
■ 創造社会(クリエイティブ・ソサエティ)=万人がつくる社会へ
■ アトムとビットを超えて ―― 量子力学的世界観
■ 二つのリアリティを育てる
■ 一部でも切り取らないと、思考は始まらない
■ デジタル・ディバイドと管理社会
■ 今日確実だと思われているものが、明日にはひっくり返ってもおかしくない
エピローグ(井庭 崇)
■ 未来へのコミットメント
文献案内
事項索引
人名索引
ぜひ、読んでみてください!
そして、感想、つぶやき等、お待ちしています!
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慶應義塾大学出版会『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法 (リアリティ・プラス)』
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『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法 (リアリティ・プラス)』
井庭崇 編著, 宮台真司, 熊坂賢次, 公文俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年11月
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