井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

「起業と経営」パターン:A Pattern Language for Entrepreneurship & Management

今学期SFCで担当しているアントレプレナー寄付講座「起業と経営」(2012年度春学期,竹中平蔵・井庭崇 担当)で行われたゲスト講演をもとに、そこで語られた「問題発見・解決をしながら生きる」ことについてのパターン・ランゲージを作成した。

この授業で来ていただいたゲストスピーカーは、佐野陽光さん(クックパッド株式会社)、小林正忠さん(楽天株式会社)、山口絵理子さん(株式会社マザーハウス)、山崎大祐さん(株式会社マザーハウス)、宮治勇輔さん(株式会社みやじ豚、NPO法人農家のこせがれネットワーク)、青柳直樹さん(グリー株式会社)、駒崎弘樹さん(NPO法人フローレンス)、今村久美さん(NPO法人カタリバ)、佐藤輝英さん(株式会社ネットプライスドットコム)である。

全員、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス:総合政策学部・環境情報学部)で学び、卒業した若き起業家たちである。ゲストスピーカーの方々には、「問題発見・解決をしながら生きる」ための考え方・方法・秘訣について、経験談を交えて語っていただいた。

その講演内容を「パターン・ランゲージ」という形式でまとめたのが、今回制作したものである。パターン・ランゲージとは、「どのような状況において、どういう問題が生じやすく、それをどう解決するのか」という発想・秘訣を言語化し共有するための手法である。ひとつひとつの発想・秘訣は、Context (状況) 、 Problem (問題)、Solution(解決)という形式でまとめられる。それをパターンと呼び、各パターンには名前がつけられている。この名前が、発想・コツを考えたり語ったりする際の共通言語として用いることができる。各パターンは、次のような形式で書かれている。

パターン名 ←発想・コツを端的に表すための名前
…………。 ←このパターンを印象的に理解するための導入文
【Context】…………。←どういう状況で、次に示す問題が生じやすいのか
【Problem】…………。←上述の状況において、生じやすい問題は何か
【Solution】…………。←その問題をどのように解決するとよいのか


各パターンを読むときには、まず、パターン名と導入文を読んで、その内容を感覚的にイメージする。そのあと、それに続く詳細な記述を読んでいく。

「【Context】……の状況において、【Problem】……という問題が生じやすい。そこで、【Solution】……をするとよい。」

というふうに読んでいく。


「起業と経営」パターン:A Pattern Language for Entrepreneurship & Management は、36個のパターンで構成されている。パターンは、大きく分けて次の4つのカテゴリに分けられる。

EandMPatterns420.jpg


このパターンについてまとめた資料のPDFは、以下からダウンロードできる。

「起業と経営」パターン:A Pattern Language for Entrepreneurship & Management

本パターンは、ゲスト講演の内容をもとに、井庭崇(総合政策学部准教授)と授業SA/井庭研メンバーの濱田正大・松本彩によって抽出・執筆された。


「起業と経営」パターン:A Patter Language for Entrepreneurship & Management

1. 挑戦する人生
2. 未来からの視点
3. 若いうちのリスク

4. 問題意識の芽
5. 問題発見の眼鏡
6. 当事者意識のアンテナ

7. やる/やらない
8. 時間をつくる
9. 手段としての起業

10. ユーザー視点のスタート
11. 仕組みをつくる
12. プロセスにも哲学

13. 直感判断
14. 「Why」を詰める
15. 絶対的な価値観

16. 小さな成功から
17. 魅力的なストーリー
18. 認識を生む言葉

19. 自我作古
20. 自分の信じる道
21. 自分なりのスタイル

22. 自分への投資
23. ベースとしての学問
24. 走り続ける体力

25. 成功するまで
26. 原点確認
27. 批判を力に

28. 時代の風
29. 奥深いテーマ
30. チャレンジングな目標

31. 創造し続けられるチーム
32. 成長のための循環
33. 刺激的な環境

34. 与えず引き出す
35. 次世代の育成
36. 日本を活かす
パターン・ランゲージ | - | -
CATEGORIES
NEW ENTRIES
RECOMMEND
ARCHIVES
PROFILE
OTHER