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1.関係と所有
「これはぼくのものだ」というとき、ぼくはこれを所有している、という。その場合、もっていると所有の違いは3つある。
1つは希少性で、他のみんなはそのもの(あるいは、それに相当するもの)をもっていない、ということ。 2つめは、もっているものが他のみんなにある望ましさを抱かせるものでなければならない。それが魅力である。希少なものが魅力的である、これが希少性の価値ということである。
さらに所有は排他的だ、ということが大切である。ぼくがあるものをもっているとき、そこでは、他のみんなは「それは僕のものだ」とはいえないというルール1と、ぼくは「それ以外のものには、それはぼくのものだ」とはいわないというルール2についての社会的な合意が形成されていなければならない。この2つのルールのもとで、希少な価値あるものをもっているとき、所有が社会的な関係のなかで成立するのだ。これが近代産業社会を支える所有の考え方である。
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