Juli 24, 2005

TOKYO NIGHT

渋滞の原因は車がブレーキをかけるということだという。では、新宿駅構内で、普段は一分足らずで移動できる3番線から2番線のホームへ移るのに一時間以上かかったことには、どんな説明が適当なんだろう。

地震はICCというわけのわからない拷問的な(流行り言葉でいえば脱構築)展示ばかりするメディアアートの美術館の、暗闇の中で文字が点滅する部屋の中にいたので、床が揺れるのも演出の一つだと思っていた。別に、まわりの人もいつも通りだった。京王線もいつものスピードでいつもの混雑度で、いつもの時間に動いていた。

なのに、新宿駅につき、JRの領域にだけものすごい数の人々。埼京線は動いているにも関わらず、適当な情報は流されず、適当な誘導も行われず、人が待つホームではなく誰もいないホームから列車は発車し、がらあきで運行する電車と、ホームに取り残され身動きさえ取れない人々、泣き出す人や、怒り出す人や、崩れこんでしまう人。

ただ、みんなたまらないんだろうけど、すごく楽しそうだった。ケータイで写真をとる人の多さ、電話で今の状況を嬉々と話す人の多さ。あらゆるものは、日常を彩るためのネタにすぎなくなったといわれる時代をよく反映しているのかな。

素敵な東京の夜でした。いい思い出が出来ました。グローバル化により、交換可能なモノや体験ばかりが増えていくというけれど、あんな密度の中、駅の階段で、一歩も動けない状況なんて、いくつのもの条件が重ならなければ無理なわけで、その意味でとても素敵な経験だよね。もう二度と嫌だ。

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Mai 12, 2005

WITHOUT

今頃どこで
誰が夜に怯えて
今頃どこで
誰が朝を奪われて

ここに残された
ほんのわずかな東は
海がもうすぐ
飲み込む時間

朝凪はいま
風前をただよう

君と包まれた
ささやかな時代は
空へ切れ目を入れるように
落ち込んでいった

行き先をなくした鳥たちのよう
東へ進んでいるときさえ
彼らはその意味に気が付きはしない

たとえ西へ沈んでゆく真夜中でさえ
彼らはその意味を受け入れるようとしない

こぼしてきた風景を
どんなに取り戻しても
同じ場所へは二度とたどりつけない

そこが夜でも
そこが北でも
ここが朝でも
ここが南でも

うまく物語はつながってゆかない
朝虹は遠く消え果て
目印のない場所じゃいつしか
人は北を左と言い換える
やがて南が西に成り果てて

あの頃誰が
夜に怯えて
今頃誰が
夜をなくして

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Mai 10, 2005

色々と

あった気がする。
何か、うまくつなげない。
たくさん笑ったはずなのにな。
なんか、霧の中みたいに
何か思い出せない。

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優しい雨が
メモリアルの指先を砕いてゆく
祈りをたたえた横顔は
憂いの目さえも風に削られる

不自然に残された景色
切り取り線を使い切り
うやむやにできなくなった夢

つぎはぎの街を
どれほど渡りぬいたところで
最後の橋は壊れている

もうだめだよと
言うことさえに
勇気やちからが必要で

そんな時代を立ち去ろうと
彼は行き先を空気におもねるけれど

うまい夢の見方さえ
忘れた人の紡ぐ未来は
もうそんなに長くはもたない

優しい雨が
優しさも悲しみも慈しみも
全て壊してしまう日まで
祈りさえもただ
雨の中をたゆたう

叶わない日々さえも
ただ敗れる時間のために
雨の中をたゆたい続ける

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Mai 07, 2005

EEE

もう時間ですよと
優しい声が車両に響く

二度と戻れないわけじゃないと
そんな慰めは誰かを傷付けるだけと笑っていた

笑うしかなかった
笑えないはなし


まちの孤独を縫うように進む各駅停車
置き忘れの停車場を
もうすぐ空が飲みこむ

窓の向こうには
乱反射した白黒の群集

そして影が君を思い出す
だけどそこに顔はもうなくて

よく口ずさんでいた歌が
いくつかのホームを横切るだけ


さよならさえもうすぐ
届かなくなる

何千キロも何十時間も
たいした理由にはならない

たとえ隣の星にまで
声が届く時代なのに

たったいくつかの距離と時差に
負けてしまう線は
もうほつれるだろう


廃線の外側に
見えたパレード

もう同じことだと
列車を降りた車掌はいない

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April 23, 2005

地平が軌道

通り過ぎる世界を背に
抱え込んだ想いは
誰に見せるともなく 
歴史に埋もれてゆく

地平の側まで
続いた空の垣根
にび色に光る未来の反射は
音もなく万博の夢に飲まれた

一人で進む
放射の線路
たどり着けない明日を抱え
それでも走り続ける車窓に
後悔はないと強く言い聞かせた

ふいに浮かんだ不安は
通り過ぎた風景に残してゆこう


空白の広がるフィールドで
闘い続けた人々の
ささやかな願いを継ぐように

終着駅を前に途切れる道に
伝うべきは悲しみじゃなく

たとえ無機的でも構わない
最後の言葉
誰かへ宛てた最後の言葉

そして今
明日は白やんだ

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April 16, 2005

方策として。

時の流れを止めるただ一つの方法は
時の流れを降りてしまうこと

++++++++++++++++++++++++++++++++++++

水底に浮かんでいた笑顔を
ひとつひとつ絞めるように
水泡が揺れる月を乱してゆく

ただ背中合わせに
話を続けていた僕たちは
別れる時にも
何も見せずに離れてゆける

まるで出会ったことさえも
間違いだったというように
そのまま足を踏み出してゆける

空は虹
風を越えて
街は滲み
空は破れた

うまくは語れなくなった
きらめく未来の海の話

素朴な日常のことばかり
明日へと積み重なってゆく

それでも今も
振り切れない
明日がある

届かぬ夢の眩しさが
まやかしだったとしても

それを確かめることができるのは
夢に届いた人だけだから

まやかしだと嘲りながら
まやかしかどうかもわからずに生きるのは
夢に届かなかった人だから

測れはしない
幸せの重みや痛み


錆び付いたドアの向こうに
何があったのなんて

ある日思い出すかもわからない

たとえドアの向こうに
何もなくても

ある日悔やみだすかも知れない

たとえドアの向こうに
終わりが広がっていても

広がるばかりの傷口
それを防ぐ唯一の答えが
終わりなのかも知れない


雲のように
薄れてゆけない

月のように
流れてゆけない

いるかいないか
覚えているか忘れてしまうか

現実的な答えが
現実には溢れている

入り混じっている奇跡さえも
いるかいないかの前では同じ

空のように
広がってゆけない

ただ1か2を知らせる
狼煙のように

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April 14, 2005

帰れる場所があるやつほど
旅立つことに不器用で
それでもしきりに
旅の支度ばかりを続けている

帰る場所さえないやつは
旅をすることに疲れ果て
それでも留まることを
知らずに彷徨いやめない

季節がまた終わるなんて
冬を怯えていた誰が信じられるだろう

どこにもない永遠を探して
延々と廻ってゆく歳月は
まるで寄る辺のない旅人

帰る場所と
帰れない場所を
うまく使い分けて

寂しさと強ささえ
うまく演じ分けるのは
時流を泳ぐ人々

千切れてしまったさよならを
どうにか引き止めるように

微笑みをまた
旅に紛れ込ませてみる

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Mars 30, 2005

イエローカード

「もらったイエローカードってどこに入れておくの?ポケットあるのかなあ。」

+++++++++++++++++++++++++++

夢の先にあるように見えた色が
振り返ったときにも見えること

気付いたときには
もう草原を歩いていた

吹きつづける風も
流れやまない雲も
行き先までは教えてくれない
ただ広い草原を歩いていた

それでも穏やかな風は
優しく告げてしまう
君はほとほと進んではいないよと


遠景だけが
かたちを変える毎日

それをどれだけ繰り返したとして
あこがれの色を
一つとして手に入れられず
朽ち果ててゆくだけかも知れない


夢の先にあるように見えた色が
振り返ったときにも見えること

それさえも幻だったと
認めてしまったとき

この草原は
何に姿を変えるのだろう

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Mars 28, 2005

ミカタ

遠のく背中が夕闇にまぎれた
闇が薄く僕たちをつなぐ

時流を急ぐ誰もが
同じ闇を往く

街はいつも孤独の味方
誰もが一人だと想えたならば
僕らはもう一人じゃない


すさんだ記憶を曖昧に脱ぎ去る
答えを出す時期はまだ先と

季節が変わる頃には
思い出も変わる

時はいつも未来の味方
今日を生きている誰一人も
未来のあいつには勝てない

闘うことさえも出来ない

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Mars 24, 2005

足跡が滲んでゆく

足跡が滲んでゆく
歴史が変わる訳ではないのに悲しい

雨は明日も続くでしょうと
笑顔のアナウンサーが伝える


まるで前線にそびえる金網を
掴んだ時のよう

変わられない現実と
それを変えられない自分を
恨んでいたあの日のよう

100年前も
100年先も
街は忙しいのに

100年前も
100年先にも
どこにも僕はいない

100億年前も
100億年先も
宇宙は広がるのに
どこにも地球はいない

消える足跡を憂い傷んだこころや
フェンスをにぎりしめ流れた血に
どれほどの意味もないはずなのに
どうして傷跡はうずき続けるのだろう


明日は雨
明後日は晴れ
やがて雨も枯れ

ただそれだけのことなのに

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Mars 10, 2005

310!

よるべのない悲しみの澪を
広げた海は色を重ねながら

雲の中へ溶け込んでゆく

帆を下げた船が
地平に飲まれてゆく

今はもう
闘いの日々は
ただのおとぎ話


降り注ぐ光の礫を
掻い潜り
訪れた時代で
君は
またあの光に憧れている

火傷の跡を
隠す服を
破れたままにしておくのは
見破られたいわけでも
哀れみを受けたいわけでもない
ただ忘れて欲しくないだけ

綴られた言葉や
流された涙も
眩しい光線の前には
ぼやけていくばかり

たとえ全てを
認めてしまっても
その先には
情けないほど圧倒的で
当たり前の日常

守る価値は
毀損されたまま風化の一途

壊れてしまったら
たやすくは直せないのに


空の色は幾百
残された名前は幾億

まぶたを焦がすほどの
明日はなくても

届かなかった手紙に
出来ることはただ
それを馳せることだけ


波の手に飲まれた
いくつもの意味は

崩れるだけの
価値しかなかったわけじゃない

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Februar 28, 2005

2月

もうまもなく3月らしいです。
春。
春なのにお別れですか、という昔の歌があるけれど
春だからお別れなんですよね。

やだな。
悲しい。

****************************

ほつれてしまった物語を
もう一度紡ぎなおし

同じ景色を同じ笑顔で
探しているのに

優しいあのことばは
もうどこにも見当たらない


ここまで来たこと
それはいつでも
たとえささやかでも
「僕の」決断があったはずなのに

どうして「僕は」
こんな場所で泣いているんだろう

まわりを見回して今さら気付く
100年後にはひとり残らず
ここにいる人はみんな消えてしまう

あと何度別れを
繰り返したならば
それが最後になるのかなんて

あたりまえすぎることは
とても悲しいこと


どこへいこう
組み直されてしまった物語の中で
今度はどんな顔で
あの人たちを見送ればいい

いつかどんな顔で
この場所を立ち去ればいい

残されたものは
並び方が違うだけで
何もかも違う世界

もうしまった物語を
一度紡ぎなおし ほつれ

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Februar 17, 2005

うみのそば

立ち止まる時期は終わったのだと
まわりはとっくに列車に戻り
次の街へと旅立ってゆく

うまくは乗り継げなかった複雑な駅や
怖くて歩けなかった真夜中の世界も
何時の間にか恐れもなく あの人たちは歩いてゆく


空が眩しいだけのこんな場所で
夢を見なさいと優しいひとが
隣にいてくれたのはもういくつ前の季節だろう

夢なんてないよと
社会を見破ったフリをしていたのは
どんな夢を引き受ける余裕もなかったから

君はきちんと夢を探して
そして夢をあきらめて
現実を生きているのに

僕は夢ひとつ見れずに
生半可な現実を前に
未だ夢に憧れている


どこへ行けばいいのかとか
どんな場所ならいいのかとか
波打ち際に描くことばで 昨日を欺くばかり

次の街まで
もうとっくにおりてしまった線路を
使うわけにはいかなくて

なのに歩いてゆけることは
出来そうもない
そんな午後2時の低くなる空


誰もいなくなってしまう前に
一周遅れになってしまう前に
闇に影が飲みこまれてしまう前に

何を
何かを
それでも

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Februar 11, 2005

国道沿いの光とかはもうこのあたりにはないけれど。

少しだけ離れてしまった背中を
もう影さえもつなごうとはしない

濃縮された空を
夜が片付けてしまう前

ガード下に続く国道の光
そのどれよりもはやく

寂しさは通りすぎ
そしてまた寂しさはぶりかえす


一緒にいるのに
ひとりを思い出してしまうこと

ひとりきりで
ひとりを感じていること

比べるまでもなく
どちらも受け入れざるをえない出来事で


制限さえなく
溢れてしまう忘れていた気持ちを

彩ることばひとつ
うまく伝えられないまま

またたいた信号機はまた
人の歩みをせかせ

そして誰でもない誰かの中の誰かに
ぼくはあっさりと溶け込んでしまう

もう思い出さなくていい
今度止まるときまで

もう立ち止まらなくていい
どうせ立ち止まれないんだから

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Januar 02, 2005

まだの先端

今週から学校らしい。。。。。。
もう2005年だし。。。。。。

窓際からそっと
物語が離れてゆく

優しく並べすぎて
時間まで薄められた空間で

あの時何を期待していたんだろう
明日の自分や
明日の世界に
過剰な夢を被せないって
何度も立ち止まった度
言い聞かせてきたはずなのに

少しうまく笑えても
今はなんとか歩けても
そのうちあっけなく壊れてしまうかも知れない?
今夜は悪戯な不安だと片付けられない

力強く呆然と決然として
どんな態度だったとして
一人きりいつまでもなんて
立ち止まっていられない

君も同じ時間を過ごしているだなんて
今は何の慰めにもならずに
何度も聞いた言葉がただ頭の中通り過ぎてゆく


どうしてこんな場所まで来ないと
気付けなかったのだろう

空ろな星がざわめいたまま
街は少しだけ僕たちを遠ざける

大好きな物語でさえ
あの場所じゃなかったら
抱きしめられない

別の場所で別の時間に
出会えたらだなんて
別の場所で別の時間だったら
出会えるわけもなかった

もうすぐ零れてゆく
世界が
この場所へ届くまで
飛んでいられるかな

優しい期待
壊すだけの絶望に
出会えたならばと
一瞬浮かぶけど
本当は絶望に
耐えるだけの優しさなどない

空はゆっくりと
地上を離れる

窓はかすかに
地上を揺らす

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Desember 04, 2004

ことば


壊れたこころを
必死に守るその腕はいつか傷付いて
それでも手放さずに守り抜いた

今日もまた終わってしまう
明日へつながる石さえも投げられぬまま

いつか願ったままの未来を
笑顔の裏に人は隠している


なくした言葉を
それでも探すこの腕はいつか疲れ果て
名付ける痛みだけを持て余した

ふいに訪れる悲しみ
隠さずに打ち明けられる日はいつだろう

あの日 出会ったままの気持ちを
意味もつけずに僕は持っている

君に伝える言葉さえ
見つけられずに僕は壊れたまま

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November 10, 2004

優しい終わりまで。

吹き終わった風が
通り越した星が揺れる

わずかに揺らめく
地平線の片隅

零れ落ちる空を
なぜだろう
ただ眺めていた
微笑みさえしながら


残された時間は
もう多くはないよと
時計塔が教える

人はまた消えてゆく
街はまたかすんでゆく

隣にいてね。
変わらないでね。
ずっと一緒だよ。

いくつ交わされ
いくつ破られた言葉が
果てしなく降り積もる


触れた指先は
いつか崩れ落ち

腫れた夜空に
夢を投げ落とした

波紋はやがて静まり
もう朝は防げなくなる

ならば足を投げ出し
消えてしまうものを数える

そしていつか一人になる日が来るなら
もしもそれほどの時間が許されるなら

星にのぼってもう一度
風を伝えよう

そして世界をあきらめよう。
一番に優しい笑顔で

いつか世界をあきらめよう。
一番に優しい言葉で

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August 01, 2004

July 31

そしてまた消えていく
光の膜を探るように

あっけなく点滅する
文字の欠片を今ここで

想って 守って 明日に繋いでも
もう二度と戻れない


画面越しの悲しみを
もう一度取り戻すように
開いた窓の向こうには
見つからない文字ばかり

あなたの言葉が
わからないと
あなたのいない世界を
生きているのと何も変わらない


西からの風はまだ穏やかに
月日を爪先でなぞるのだろう

いつか取れるかさぶたの向こうに
やさしい傷跡がうまれるように

祈りながら もう誰もいない海辺で
遠い日々を眺めてみる


終わらないはずだった夏を
幾つ通り越し

帰れない場所をあといくつ 抱え
終われない旅はいつ 役目を終え

戻っていくのだろう
今はまだ 残したままの言葉

さえぎる背中越しに
見つめたまま。

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Juli 22, 2004

郵便のような

宛名だけを書いた不安は
いつ君が目にするのだろう

こんな広い街で
人が交差する

そのリンクをたどり
ささやかな優しさだけで
共に笑えるように


周っていく時代を
わけなく分けては
そしてまた覚えることを増やしている

本当にたったひとつの真実なんて
どこにもないよと
ひとは簡単に笑ってしまうのだろう

信じたいものさえ信じられない
弱さを補う何かを探す手を緩めれず

微笑みを詰め込んだバッグは
何時の間にか重くなっている


いつか笑えたり
いつか思い出せたり
それをささやかに
そしてしたたかに
だけどこえだかに
いまもおもっている
どこかねがってる

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Juli 15, 2004

集団妄想

あの日から
夢を見ない

あの日から
世界はない

あの日から
瞳を閉ざしてしまった
あの日から
僕は世界になった

今、ここにはもう
全てがある

この暗闇のむこうには
大好きなグランドや
忘れられない君がいる

だからもう大丈夫だ

同じ世界を
二人で見られなくても大丈夫

同じ世界で
生きられなくても大丈夫

生きていくだけなら
そう
生きているだけでいい


もうここにはいない
あの人と
同じには見られない街を
歩いていく

人はただ通り過ぎていく
やがてさめてしまう熱狂を
今はもう黙って見つめることしか出来ない

街はもう通り過ぎていく
やがて消えてしまう人々を
匿名的に見送る僕たちの夢

いとおしい風が
やさしく消えていった時代をなぞる

もう何も見えない街で
君は素敵な絵を描き続ける

絵筆も絵の具も
何もなく
君はただ
微笑み続ける

その絵を誰かが褒め称え
その絵を誰かが燃やせという

でも、君は
ただ首をふり、何も見えないと言う僕を
そっと抱きしめようとしてくれる

もう何もない

夢の跡には
ただ空が
夢の跡には
ただ星が

そう。
見えない。
わからない。

世界はもう
たった一つの
役割を終えて

僕の世界や
君の世界になったまま


僕は今、瞳をあける

もう、たとえ、君の世界はなくても
僕は今、

瞳をあける

こんな即興で書いた詩を出したいんだけど、どうかな。
社会環境論。

あのさ、賞状とかで、実績をアピールしつつ。

だめ?だめかなあ。

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Juli 09, 2004

ごめん

「ごめん」はずるいよね
君を許さなくちゃいけなくなる

簡単に全てを許せるほど大人にはなれないのに
最後まで闘えるほどの勇気も持てない

たった一人きりで
微笑みでつくろって
どうしようもない痛みや
とりとめもない悲しみを
抱えて歩いてく


点滅する街並みは
空へと沈んでゆく

明日が
何の失敗もない
新しい一日だと
抱きしめて
信じて
祈って

ああ
もう隣にはいられないな

でも「ごめん」だけは
言わずにいよう

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Juli 01, 2004

湾岸

微笑みも
全部流した
湾岸の倉庫

金網の向こうの
空が眩しい午後

もう今日も終わるなら
せめて昨日の側で

もう夢が覚めるなら
せめて現実の上で

右手に続く
あのままの海
左手が紡ぐ
見たことがない空

そっと風を伸ばす
もっと息を続ける

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April 08, 2004

D?

突然の文字の反転
あの日以来の音
そこで途切れた祈り

もう届かないよと
笑わないで、どこにも行かないでね。
ここが世界の最後でも。

ゆっくりと列車は
重力を振り払い、
空色に染まっていく。

ポストに残ったのは
届かなかった約束
今日もまた、
誰も気付かずに
新しい手紙ばかりが、
知らない人から人へと渡る。

夕暮れ付近の
この国で
君は引越しの準備を
考え始めている。

遠い国で
今まさに消える葛藤は
同じ風を包み隠し
ゆるやかに、
僕達を、
傷付けていく。

もう信じてみたいね。
描く場所は
もうここにはある。

もうすぐ列車は
駅を越える。
それは
誰かにとって
終着駅となるのだろう。
誰かにとって
通過駅となるのだろう。

でも、
誰にとっても
始発駅にはなりはしない。

終わるか、やめるか。
それだけが
この空に残された道。

今、続く。
この膜をいくつもつないだ
哀しみの線路。

どうか、
君には
届かないで。

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Mars 30, 2004

メモ

横を向かなくて良かった

<隣にいること>なんて
何の保証にもならないってこと
忘れていた

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Februar 27, 2004

リアルワールド

哀(かな)しいほどに時間は巡り
愛(かな)しいほどに君は笑っていた

零れ落ちる世界の淵で
今まさに忘れられる世界が一つ


歪められた終末の話
それはいつも君の隣

救いの手は空回り
どこにもない道の果てを

奪い合った浅ましさの中で
涙だけは枯れていない

微笑みを映す街頭インタビュー
絶叫するアナウンサー
終わりを告げる弁護団の笑顔

画面を変えていつものドラマ
だからまた本当の微笑みがここに

沈黙の向こう側に
残された闇を実しやかに語る再生紙

たった少し離れただけの
糸は絡めたままで 鎖になった

どんな場所で残された世界
企ての終わりにはささくればかり

哀しいほどに時間は巡り
愛しいほどに君は笑っていた

だけど
きっと明日も明ける

きっとそして僕は笑う

何もなかったように
きっとそして人は笑う

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