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2008年12月 アーカイブ

2008年12月20日

頂き物―論文など

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・同「政界再編と地方政治―岩手県釜石市の事例を中心として」『社会科学研究』59巻3・4号、2008年
 東大社研「希望学プロジェクト」の研究成果。著者の上神さんから頂きました。上神さんが、このプロジェクト推進のために東大先端研のオーラル・ヒストリー講座に出席されていたころのことを思い出しながら拝読しました。地方政治に焦点を当てた豊富な聞き取りデータ、ありがたい成果です。

・塩出浩之「『評論新聞』ほか集思社刊行物記事総覧」『琉球大学法文学部政策科学・国際関係論集』10号、2008年
 著者の塩出さんから頂きました。同氏が取り組んでいる「公論」形成研究の成果。記事総覧としながら付された考察の切れ味は、さすが。

・吉野作造講義録研究会「吉野作造講義録」『国家学会雑誌』121巻9・10号、2008年
 研究会メンバーの中野弘喜さんから頂きました。五百旗頭薫さん、伏見岳人さん、中野さんらによる吉野講義録の翻刻と分析。赤松克麿、岡義武らの講義ノートを丹念に収集、翻刻されたことで、わが国で初めて行なわれた「学問としての政治史」の試みが明らかにされている。これは貴重な仕事。
 

2008年12月23日

冬の京都―オーラル・ヒストリー講座(12月22日)

 冬の京都に行ってきました。

 今回は、立命館大学大学院政策研究科・公務研究科の「地域共創セミナー」の講義。「オーラル・ヒストリーの可能性」と題してお話しさせて頂きました。教員のみなさんも、学生のみなさんもとても熱心で、充実した議論をすることができました。お招き頂いた森道哉先生に感謝です。

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 立命館と聞いて、衣笠キャンパスだろうと思いこんでいたところ、呼ばれた先は朱雀キャンパス。JR二条駅となりという見事なロケーションに、見事な校舎。二条駅周辺はひっそりとしていた印象があったのですが、駅舎の改修、再開発で、とても賑やかな街になっていました。

 ひっそりといえば、やはり外せないのが壬生。大河ドラマのころの喧騒は収まって、静かなたたずまいが戻っていました。

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 わりと時間があったので、壬生~二条をゆっくりと歩くことができました。
 冬の京都は、また格別です。
 

2008年12月25日

頂き物―Akita, George, Evaluating Evidence

%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%82%BF%E5%85%88%E7%94%9F.jpg Akita, George, Evaluating Evidence : A Positivist Approach to Reading Sources on Modern Japan, Univ of Hawaii Pr, 2008

 著者のジョージ・アキタ先生から頂きました。アキタ先生には、8年ほど前から折に触れて激励を頂き続けてきました。一次史料に基づいた研究の嚆矢として評価される『明治立憲政と伊藤博文』から37年。史料読解に丹念に取り組み続けてこられたアキタ先生の、メッセージのこもった一冊が出ると聞いて、楽しみにしていました。

 以下、目次。
 Preface
 Acknowledgments
 Introduction
 Japan's Postwar Positivists The IHKM and YAKM Projects
 Reading Primary Documents Letters, Ikensho, Nikki, and Memoirs-the Pitfalls
 Hara Kei Nikki and Eiin Hara Kei Nikki Compared Typos and Other Problems
 Now That We Have These Primary Sources
 John W. Dower and Herbert P. Bix
 Concluding Remarks
 Notes
 Glossary
 Bibliography
 Index

 IHKMは伊藤博文関係文書、YAKMは山県有朋関係文書ですね。
 読ませて頂くのが楽しみです。先生、いつまでもお元気で。
   

2008年12月27日

著書―『慶應の政治学 日本政治』

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 慶應義塾大学法学部編『慶應の政治学 日本政治』(慶應義塾大学出版会、2008年)

 慶應義塾創立150周年記念出版として、法学部出身の研究者による論文集が刊行されました。
 この中に「政治指導の制度化―その歴史的形成と展開―」と題した論文を寄稿させていただきました。日本政治の巻には、他に市川太一、上野利三、小川原正道、笠原英彦、佐々木信夫、田中直樹、玉井清、中村勝範、増山幹高の諸先生が書かれています。

 拙稿ですが、以前から、近代日本における政治指導がどのように形作られ、運用されていったのかを長いスパンで考えてみたいという気持ちがあり、明治二(一八六九)年の太政官制から昭和七(一九三二)年の政党内閣期終焉まで、六〇年あまりの展開を追いました。目次は以下のとおりです。

  はじめに
  一 統治構造の創設と政治指導の制度化―一八六九~九八
   1 太政官期における政治指導の問題点
   2 統治構造の創設と政治指導の制度化―内閣職権と各省官制
   3 明治憲法施行と議会開設による制度化の変容
  二 政党内閣の登場と変容する制度化―一八九八~一九二四
   1 政党内閣の創出と政党主体による政治指導の模索
   2 桂園時代という安定の中の変化
   3 原内閣と政党政治下の政治指導
  三 政党内閣の定着と制度化の解釈運用―一九二四~三一
   1 加藤高明内閣における政治指導の構築
   2 田中内閣における政治指導の再編
   3 浜口・第二次若槻内閣における政治指導の相克
  おわりに

 これに続いて、現在、政党内閣期の政治と行政の関係を俯瞰する原稿を書いていますが(今日、仮脱稿しました)、長いスパンで捉えなおすことで、新たな理解が見えてきたように感じています。

 新しい年には、どんな見通しが見えてくるのか、楽しみです。
 

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