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2009年02月 アーカイブ

2009年02月06日

著作―「政治の安定、官僚の安泰?」(『三田評論』)

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 『三田評論』1120号(2009年2月)に「政治の安定、官僚の安泰?―二大政党時代と官僚」が掲載されました。自民、民主の二大政党間で政権交代が行われ、それが常態化した場合、官僚の位地はどうなるのでしょうか。今日のような「安定が欲しいなら公務員」という公式は続くのでしょうか。政官関係はどのように変わるのでしょうか、それとも、変わらないのでしょうか。

 この問題への見通しを、戦前における政党政治・二大政党時代の経験から論じました。1頁の手軽なものですので、ひろくご一読いただければ幸いです。

 とはいえ、あまり入手容易な雑誌ではありませんので、ご関心の方はご一報ください。
  

2009年02月17日

08年度ゼミ終了―ゼミ2年目の回顧と展望

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 去る2月4日(水)、研究会B(1)(2)合同の研究成果報告会を行いました。平日にも関わらず、ゼミOBOG3名の参加もあり(ありがとう!)、充実した成果報告会となりました。

 開講2年目となった今年は、近代以後を通観することの重要性に鑑みて、戦前・戦後で分けていた形式を改め、基礎理解を行う「ベーシック」と、事例研究を進める「アドバンスト」の二本立てで研究会を進めてきました。2年目のメンバーに加え、新規メンバーに多彩な人材が多く、初年度にあった異様な(笑)活気とはまた違った、今後の展開を楽しみにさせてくれる1年となりました。

 とりわけその底力を感じたのが、この日の成果報告会。オーラル・ヒストリーを用いた戦時生活研究、日本―ASEAN関係を俯瞰しようという試み、政界―財界関係へのアプローチ、「アジア主義」という言葉にこだわった比較研究、田中角栄に惚れ込んだサーベイ、日印関係史に経済から切り込んでいったリサーチ、言論の自由の観点から国会議員の行動を論じたもの、中曽根外交というオーソドックスなテーマに挑んだもの、昨年に続けて時事映画にこだわったもの、枢密院というマニアックかつ担当者の琴線に触れる対象を選んだ挑戦、そして卒業制作として100を越える注をつけて丸山眞男に挑んだもの。いずれも好報告でした。

 唯一の卒業生となったゼミ幹事長には、彼が論文で取り上げた吉野作造、丸山眞男に加えて、私の横顔とゼミの集合写真をデザインしたタンブラーが送られました。彼の大学院生活を、このタンブラーが見守ることになりそうです。こういう企画は、いいですね。

 すでに論文はいつものように朱に染められて担当者と筆者の間を行き来し、いずれ論文という形になりますが、何より嬉しいのは、研究会のメンバーが相互に刺激しあって、ぐいぐいと力を伸ばしていること。半学半教を体感した1年でした。

 来年度からは、日本政治外交史のゼミに加えて、オーラル・ヒストリーのゼミを立ち上げます。どちらのゼミにも、新しいメンバーからの応募が集まり始めました。春の声です。来年はどんなゼミになるのか、今から楽しみです。
 

2009年02月25日

頂き物―松沢裕作『明治地方自治体制の起源』

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 松沢裕作『明治地方自治体制の起源―近世社会の危機と制度変容』(東京大学出版会、2009年)

 著者の松沢氏から頂きました。ありがとうございます。
 序章。序論ではなく、序章「移行期研究の視座と制度変容」は、本書の意義が江戸から明治への移行期研究としてはもちろんのこと、これから歴史学に取り組む人への手引書たるものであることを教えてくれています。あとがきの、抑制の利いた一差し二差しとあわせて、さすがは、と息を飲まずにはいられません。

 これから本論です。氏の報告を初めて聞いた7年前の衝撃を思い出しながら、ゆっくり拝読したいと思います。

 以下、出版社による内容紹介と主要目次を記しておきます。

 近世後期から明治初年にいたる備荒貯蓄・勧業などの新政策の変遷によって諸個人と権力との関係がいかに生み出され,地方自治体制が成立したのか.身分制社会が直面したヘゲモニー危機に対する試行錯誤が生成した変革の主体をあぶり出し,近世・近代移行期における政治権力の本質を解明する.
 
 序章 移行期研究の視座と制度変容
 第1部 近世身分制社会におけるヘゲモニー危機
  第一章 「組合村」から「大区小区制」へ
  第二章 備荒貯蓄と村
  第三章 勧業資金と蚕糸業
 第2部 近代的地方制度の形成
  第四章 連合戸長役場から「行政村」へ
  第五章 備荒貯蓄と府県会
  第六章 地方税と道路
 終章 近代社会における制度と権力
 

2009年02月27日

合格発表(2月26日)

 昨26日、SFC3学部の合格発表がありました。最近は電話でも、ネットでも確認ができるんですね。私が受験したときは(もう14年も前ですが)、電子郵便の到着をひたすら待っていたのを思い出します。

 そんな中、昼食をと三田図書館を出て南校舎をくぐり抜けると、ちょうど3学部の合格発表が貼り出されたところでした。雨降る寒空にも関わらず、お待ちになっていた方がたくさんいらっしゃいました。自分の目で確かめることの価値も大きいのでしょうね(←09年春「総合政策学の創造」のテーマにもつながる話です)。

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 朗報を手にされた方、本当におめでとうございます。4月、キャンパスでお会いできるのが楽しみです。

 <慶應義塾ウェブサイト ニュース 学部一般入学試験合格発表>
  http://www.keio.ac.jp/ja/news/2008/kr7a43000000p8yh.html

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