去る2月4日(水)、研究会B(1)(2)合同の研究成果報告会を行いました。平日にも関わらず、ゼミOBOG3名の参加もあり(ありがとう!)、充実した成果報告会となりました。
開講2年目となった今年は、近代以後を通観することの重要性に鑑みて、戦前・戦後で分けていた形式を改め、基礎理解を行う「ベーシック」と、事例研究を進める「アドバンスト」の二本立てで研究会を進めてきました。2年目のメンバーに加え、新規メンバーに多彩な人材が多く、初年度にあった異様な(笑)活気とはまた違った、今後の展開を楽しみにさせてくれる1年となりました。
とりわけその底力を感じたのが、この日の成果報告会。オーラル・ヒストリーを用いた戦時生活研究、日本―ASEAN関係を俯瞰しようという試み、政界―財界関係へのアプローチ、「アジア主義」という言葉にこだわった比較研究、田中角栄に惚れ込んだサーベイ、日印関係史に経済から切り込んでいったリサーチ、言論の自由の観点から国会議員の行動を論じたもの、中曽根外交というオーソドックスなテーマに挑んだもの、昨年に続けて時事映画にこだわったもの、枢密院というマニアックかつ担当者の琴線に触れる対象を選んだ挑戦、そして卒業制作として100を越える注をつけて丸山眞男に挑んだもの。いずれも好報告でした。
唯一の卒業生となったゼミ幹事長には、彼が論文で取り上げた吉野作造、丸山眞男に加えて、私の横顔とゼミの集合写真をデザインしたタンブラーが送られました。彼の大学院生活を、このタンブラーが見守ることになりそうです。こういう企画は、いいですね。
すでに論文はいつものように朱に染められて担当者と筆者の間を行き来し、いずれ論文という形になりますが、何より嬉しいのは、研究会のメンバーが相互に刺激しあって、ぐいぐいと力を伸ばしていること。半学半教を体感した1年でした。
来年度からは、日本政治外交史のゼミに加えて、オーラル・ヒストリーのゼミを立ち上げます。どちらのゼミにも、新しいメンバーからの応募が集まり始めました。春の声です。来年はどんなゼミになるのか、今から楽しみです。