菅原琢『世論の曲解』光文社新書
インゼミなどでお世話になっている東大先端研の菅原先生、初の著書ができました。ご本人からいただきました。ありがとうございます。菅原さんらしい闘魂あふれる一冊です。
目次
はじめに
第1章 寝た子を起こした?―2005年総選挙・郵政解散の意味
コラム1 新しい投票者と新しい選択肢―30代首長流行の背景にある現職苦戦の選挙構造
第2章 逆小泉効果神話―曲解される2007年参院選の「民意」
第3章 逆コースを辿る自民党―安倍政権はなぜ見限られたのか
第4章 「麻生人気」の謎―2007年総裁選・迷走の構図
コラム2 年代別選挙区制は若者を救うか?
第5章 作られた人気―「次の首相」調査の意味
コラム3 内閣改造は内閣支持率を浮揚させるのか?―質問文「改造」効果説
第6章 世論とネット「世論」―曲解が生まれる過程
コラム4 若者は左傾化しているのか?―憲法意識調査に見る回答の曖昧さと柔軟さ
第7章 「振り子」は戻らない―2009年総選挙・自民党惨敗の表層と底流
終章 自民党大敗の教訓―世論の曲解を繰り返さないために
巻末資料
あとがき
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
片山慶隆『日露戦争と新聞』講談社メチエ
こちらも畏友、片山さんの処女作。ご本人よりいただきました。ありがとうございます。外交・メディア研究を重ねてきた片山さんならではの一冊。
第1章 日英同盟への期待と危惧
第2章 開戦論への道
第3章 日露戦争勃発
第4章 韓国の保護国化
第5章 戦争の終わり
終章 日露戦後の新聞界
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
安在邦夫ほか『近代日本の政党と社会』日本経済評論社
著者のひとり、伊東久智さんからいただきました。ありがとうございます。
第1部 政党結成の論理と活動
第1章 植木枝盛と自由党結成 福井淳
第2章 旧幕臣の政党活動
――江原素六の明治一〇年を素材として 檜川瑞樹
第3章 大同団結運動末期における愛国公党結成の論理
――板垣退助の政党論を通して 真辺美佐
第4章 日露戦後恐慌期の第一次西園寺内閣と憲政本党 木下恵太
第5章 憲政会と「元老待遇」大隈重信
――加藤高明首班擁立工作の展開と挫折 荒船俊太郎
第2部 政党認識の諸相
第6章 政党認識における欧化と反欧化 真辺将之
第7章 『新人』における吉野作造の政党論
――日露戦争期に着目して 高橋央
第8章 田中惣五郎における政党史研究の位相
――『東洋社会党考』成立の背景 廣木尚
第9章 石橋湛山の政党論
――「浮動有権者」として 上田美和
第3部 政党とその周縁
第10章 自由民権運動における政党と壮士
――自由党の壮士への対応と壮士の動向 安在邦夫
第11章 明治後期の移民会社と政党および政治家
――亡命民権家と移民会社の関わりを中心にして 松村孝男
第12章 政友会の院外団と「院外青年」 伊東久智
第13章 都市計画反対運動と住民・政党・政治家
――槇町線問題の再検討を中心に 佐藤美弥
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下重直樹「資料紹介「昭和財政史資料」」(『北の丸』42号)
著者の下重さんからいただきました。ありがとうございます。
副題は「戦前期大蔵省における文書管理と財政史編纂」です。「稿本井上馨伝」について検討された下重さんならではの分析。いつ読んでも唸らされます。よい意味で、究極のマニアック論文です。