『穂積重行オーラルヒストリー』(渋沢栄一記念財団、2010年)
2007年度に取り組んでいたオーラルヒストリーが、刊行のはこびとなりました。
近代日本の法学を牽引した穂積陳重、八束兄弟、陳重の子・重遠という流れに連なる穂積先生をお迎えして、5回にわたって穂積家のこと、渋沢家のことを伺いました。
今回のオーラルのおもしろさは、男性のことだけでなく、両家をめぐる女性についてもお伺いしたこと。『穂積歌子日記』を翻刻された重行先生ならではのお話を伺うことができました。
このため、聞き手も政治史(清水)、法制史(出口雄一さん)、女性史(西沢直子さん)、経営史(島田昌和さん)、渋沢家(渋沢雅英理事長)と分野横断で臨みました。穂積先生の広範な学識に追いつくことは無理としても、これまでにない記録を残せたのではないかと思います。
貴重な機会をくださった渋沢理事長、木村部長、井上館長、そして丹念な仕事で刊行までこぎ着けてくださった渋沢史料館の川上さんに心から感謝します。