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2011年05月 アーカイブ

2011年05月04日

『近現代日本を史料で読む』(中央公論新社、2011年)

 

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 御厨貴編『近現代日本を史料で読む』(中央公論新社、2011年)

 2007年ごろから仕込んできた仕事(共同研究?)がまとまりました。30代の若手を中心とした日本政治史研究者が駒場リサーチキャンパスの東京大学先端研に集う、通称「御厨塾」。「原敬日記」をゆっくり、ゆっくり読む会が続いています。このメンバーを中心に、なにか史料の読みを愉しむことをしたいねという企画が上がり、本書に結びつきました。

 私は本書では、佐野真一さんの著作で一躍世に知られるようになった「倉富勇三郎日記」、貴重な女性華族の日記である「梨本宮伊都子日記」と、近年、制度整備の著しい「公文書」を担当させてもらいました。リサーチ、ディスカッション、合評会と、なかなか楽しい企画でした。

 楽しい企画といえば、このメンバーとは、文字史料の読みだけではなく、全国各地の史跡を一緒に訪ね歩いています。各地に残る御用邸、山県、松方、乃木、三島、青木、西園寺、井上、西郷といった明治期の政治家たちの旧宅など。多くは酷暑のなかを歩く旅でしたが、交わされる会話がことに面白く、気がつけば投宿というすてきな旅でした。また行ってみたいですね。
 

2011年度担当講義

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 4月休校を経て、ようやく新緑のキャンパスが活気であふれるようになりました。
 本年度担当講義は以下のとおりです。

<春学期>
  ・総合政策学の創造
    総合政策学部1年生のゲートウェイとなる必修講義です。今年も、講義内で政策コーカスを
    実施します。コーカスも早4年目。これで全学年が経験したことになります。
    國領学部長のほか、竹中先生、浅野先生などにもお話いただきます。環境情報学部との
    合同講義もお楽しみに。

  ・近代史(日本政治外交史)
    幕末以後、戦後復興に至るまでの政治過程を、統治構造、リーダーシップ、政治判断、
    人材育成、社会構造、国際情勢から考えることで、現在、日本が有しているさまざまな
    長所と短所、利点と課題がどのように生まれてきたのかを考えます。
    16年前、阪神淡路大震災に際会し、日本の政治構造は大きく変化を遂げました。
    東日本大震災の災後政治はどうなっていくのかを考える入口になればと思います。

  ・ライティング技法ワークショップ
    オーラル・ヒストリーの実践を軸とした、仮説発見、技法獲得のためのワークショップ。
    座学→実践の繰り返しで、研究をつかんでいきましょう。
    今年も楽しくやりたいと思います。

  政策構想ワークショップ
    外交政策を深く考え、議論する機会を提供します。
    谷内正太郎特別招聘教授(前外務次官)が担当、阿川尚之先生と私でサポートします。

  ・研究会1(日本政治外交研究)
    現代日本の政治構造、政策課題を、近代・現代の歴史的視野にたち、事実経過・
    経緯を重視しながら理解し、解法を探っていきます。
    春学期は、基礎的な構造・形成過程の理解を深めるため、輪読とディスカッションを
    中心に進めていきます。4年生の卒業論文報告も交えます。
    秋学期は、個別事例のケーススタディを行い、翌年度の個人研究に繋げていきます。

  ・研究会2(オーラル・ヒストリー)
    オーラル・ヒストリーを用いた個人研究、共同プロジェクトを実施します。
    加えて、「聞くこと」の意味、「聞くこと」の方法を吟味していきたいと思います。

  ・卒業プロジェクト1・2
    卒業制作指導を希望される方は、原則として、いずれかの研究会を2学期以上
    履修して下さい。

<秋学期>
  ・方法論探求
    リサーチモデルを構築し、研究を推進するために必要な、オーソドックスな方法論を
    体得するための、実践型講義です。

  ・福澤諭吉と現代1(スルガ銀行寄付講座)
    第一線で活躍する研究者、政治家、官僚、経済人をお招きし、福澤が掲げた
    「民の自立」の観点から議論します。阿川尚之先生との共同担当です。 
    今年は3年目になります。

  ・福澤諭吉と現代2
    同上講義の延長戦として、宿泊形式で熱く語り続けます。
    こちらも阿川先生との共同担当です。

  ・研究会1、2、卒業制作
    春学期を参照してください。

<大学院>
  ・インターヒストリー―地域・理論・政策
    歴史、地域、理論を重層的に積み上げ、ぶつけ合っていこうという、知の闘技場を
    模索するプロジェクト。土屋大洋先生と共同で行います。
    今年はピアソンの『ポリティクス・イン・タイム』からはじめたいと考えています。

  ・グローバル・ガバナンスとリージョナル・ガバナンス
    研究計画書、中間研究報告、最終研究報告を行います。
    GRプログラムの全体会合です。

  開講日・詳細は、時間割・シラバスを参照して下さい。
  今年もヴィヴィットで面白い学生諸君とお目にかかれることを楽しみにしています。

  清水 拝

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